しおた・きんじろう 1947年生まれ。学法石川高校、亜細亜大学中退。石川町議2期、県議4期を歴任し、2018年9月の町長選で初当選。現在2期目。
若者に留まってもらうための施策に取り組む。
――2期目がスタートして1年経ちました。現在の率直なご感想は。
「どこの町村も同様ですが、人口減少と少子高齢化に危機感を持っています。これからの町を担っていく若者にどう留まってもらうか、活力をどう高めていくか、そこに注力した政策づくりをしていかなければいけないと感じています」
――道の駅整備計画の進捗状況はいかがでしょうか。
「議会から『県内では最後発の道の駅で勝負できるのか』、『赤字になったら一般財源を投入するような負の遺産にならないか』などの意見や要望を受け、これまで議論を重ねてきました。そこで導き出した答えは、設計と建設をヤマト(群馬県前橋市)、運営をTTC(静岡県熱海市)に委ねる、官民連携型の『O(維持管理・運営)+DB(設計施工一括)方式』を取り入れることでした。また、民間に委託する条件として、『地場産品を商品として売り出す』、『職員は地元で採用する』などを盛り込みました。2025年度中の開業を目指しており、来年度着工の予定です」
――ドクターヘリの実績について。
「出動しないことに越したことはないのですが、昨年8月から運用を開始して25人の搬送実績となりました。その中の7人は、ドクターヘリを利用しなければ助からなかったかもしれない、と報告を受けています。町民が安心して暮らせるよう、今後も医療体制の充実に注力していきます」
――重点事業について。
「子育て支援の一環として、産婦人科・小児科関連の相談をオンラインで受け付けるサービスを4月から開始しました。産婦人科医や小児科医、助産師が妊娠中の悩みや出産のこと、産後の心身の健康、子育ての悩み相談などに応じています。
もう一つは、町立認定こども園の開設について、来年度内を目標として進めています。将来の町を担っていく子どもたちが健康で元気に暮らせるようにしていきます。
先ほど申し上げたように、いずれも若者に留まってもらうための施策となります」
――今後の抱負を。
「毎回繰り返してお伝えしていることですが、『聞く力』、『交渉する力』、『発信する力』の3つに注力して、町政運営していきます。限られた予算の中で何ができるかを精査し、ある程度絞って目標を定めていくことが重要だと思っています。町民が何を求めているか『聞き』、財源を確保すために『交渉』し、温泉、桜、鉱物、自由民権運動の発祥の地など町の魅力を『発信』していきます」