定数14に15人が立候補した会津坂下町議選は3月24日に投開票され、現職11人、元職1人、新人2人が当選した(結果は別掲)。投票率は前回を5・39㌽下回る57・57%と過去最低だったが、町民に話を聞くと話題に事欠かない選挙だったようだ。
当681 高久 敏明56 無新① |
当667 小畑 博司71 無現④ |
当560 水野 孝一74 無現⑧ |
当547 五十嵐一夫74 無現⑦ |
当515 山口 享62 無現④ |
当489 青木美貴子69 無現④ |
当470 佐藤 宗太44 無現④ |
当465 赤城 大地33 無現③ |
当456 五十嵐正康60 無元④ |
当450 五十嵐孝子57 無新① |
当443 物江 政博68 無現③ |
当362 横山 智代68 共現③ |
当340 目黒 克博64 無現② |
当328 酒井 育子83 無現⑧ |
289 蓮沼 文明64 無現 |
トップ当選の新人・高久敏明氏は元県職員で、会津若松建設事務所企画管理部長を退職して立候補した。会津高校、筑波大学卒。
「町議選の前から『将来的に町長を目指すんだろう』と話題になっていました」
と話すのは町内の会社役員だ。
「定年前に県職員を辞めて町議になったくらいだから(町長への)強い意欲を感じる。町議を務めながら町政の実態をつかみたい考えなのでしょう」(同)
町長への意欲という点では元職で町議に返り咲いた五十嵐正康氏も持つとされる。町内で農家レストラン「ファットリアこもと」を経営。会津坂下町商工会長を務める。
ただ、古川庄平町長(1期)の任期は来年6月15日まで。仮に高久氏と五十嵐正康氏が町長選に立候補しようとしたら、町議を1年ちょっと務めただけで辞職することになるため、両氏に投票した有権者から「町議は町長への単なるステップか」と歓迎されない恐れがある。
「斎藤文英前町長は2期務め、財政再建に道筋をつけた功績は認めるが目立った実績は無い。古川町長も役場庁舎移転問題(本誌昨年6、7月号参照)が進展しないまま1期目が終わろうとしている。それだけに高久氏や五十嵐正康氏は、自分が町長になって町を活気付けたいと思っているのかも」(町内の選挙通)
高久氏に話を聞くと「町内を回った際に『次は町長選なんだろ』という声はたくさんもらったが、自分から『出る』と言ったことはありません(苦笑)。私は約30年故郷を離れ、里帰りするたびに寂しくなっていく町を残念に思っていました。議員になったのは、自分を育ててくれた町に恩返ししたかったからです。町長選云々の話は今は考えていません。まずは議員として与えられた役目を果たしていきたい」と述べた。
五十嵐正康氏も記者に「議員としての務めを果たす」と話してくれたが、高久氏と五十嵐氏が町長選に立候補する可能性があるとすれば、次回ではなく、次の次(2029年6月)が現実的とみられる。
高久氏と同じ新人で初当選した五十嵐孝子氏は無所属をうたっているが、選挙戦ではれいわ新選組の支援を受けた。
「選挙運動はやらない、ポスターも貼らないと聞いていたが、蓋を開けたら〝れいわカラー〟のピンクを使ったポスターが貼られ、選挙カーもピンクで塗られ、町内では見かけない運動員がサポートしていたので驚いた」(前出・選挙通)
五十嵐孝子氏は看護師だが「住民運動をしていたわけではない」(同)ため、獲得した450票はれいわ新選組に期待する町民が投じたものとみられる。無所属と言いながら実質れいわの五十嵐氏がどのような議員活動をしていくのか注目される。
話題満載の選挙を勝ち抜いた14人の今後を町民は注視している。