2023年8月に閉店したショッピングモールフェスタ(郡山市日和田町)跡地で、新店舗「イオンモール郡山」の建設が進められている。開店予定は2027年春。延べ床面積は約9万7000平方㍍で、伊達市に建設中のイオンモール伊達、いわき市のイオンモールいわき小名浜と同規模となる。敷地面積は約16万平方㍍。
同施設に関しては本誌2024年1月号「郡山市フェスタ建て替えで
膨らむシネコン待望論」という記事で取り上げたことがある。建て替えによる新店舗オープンの方針が決定した当時、郡山市内で期待が高まったのがシネマコンプレックス(通称・シネコン。複数のスクリーンを有する映画館)の進出だ。
市内には6スクリーンを備えた映画館・郡山テアトルがあるが、上映される作品に限りがある。郡山市民の中には映画鑑賞のためにイオンシネマ福島(福島市)、フォーラム福島(同)、ポレポレシネマズいわき小名浜(いわき市)、まちポレいわき(同)、フォーラム那須塩原(栃木県那須塩原市)まで足を伸ばす人も少なくない。
そうした中で市内に新たなショッピングモールができるのを受けて、シネコン進出への期待感がふくらみ、若者の間ではイオンモール郡山へのシネコン進出が既成事実のようにウワサされた。記事ではその様子をリポートしたもの。
もっとも、同市では、以前からシネコン開発構想が浮上するものの、ことごとく頓挫してきた経緯がある。その背景には、テアトル郡山を経営する東日本映画㈱の影響力の大きさがあるとされており、新規事業者ではなかなか入り込めないと囁かれていた。そのため、イオンモール郡山にシネコンが入る可能性も低いのではないか、と見ていたが、ここに来て気になる情報が入ってきた。
7月17日に郡山市でイオンモール郡山への出店事業者向けの説明会が開催され、施設概要やコンセプト、テナント募集に関する説明が行われた。その中で館内にシネコンを設置する方針が発表されたというのだ。
当日の様子を記したブログ記事によると、出店テナント数は200店舗前後、モール棟は3階建てを検討しており、館内のイメージが掲載された。そのうち3階のフロアマップに「シネマ」と記された一角が示されていたとのことで、シネコン進出が決定事項のように書かれていた。
ブログに書かれていることは事実なのか。イオンモールに問い合わせたところ、7月17日に郡山市内で出店事業者向けの説明会が開催されたことは認めたものの、シネコン計画については「あくまで、物件に対する募集をかけさせていただいた段階です。詳細な店舗構成については現時点で決定したものでないため、公表できるものではありません。決定したものについては、プレスリリースにて発表させていただきます」(イオンモール社長室広報グループ)との回答だった。
「こういう店舗にしたいのでテナントを出しませんか」と事業者に呼びかけている段階であり、確定的に発表できるわけではない、と。それでもシネコンについて検討しているのは確かと言えそうだ。
本誌7月号「イオンモール伊達にシネコン計画浮上!?」という記事では、伊達市で建設中の「イオンモール伊達」に関しても、シネコンを将来的に増設する計画があり、一部の関係者の間では既定路線になっているという話を報じた。この夏は、日本歴代興行収入1位の大ヒットアニメ映画の続編『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』が公開され、話題を集めているが、映画を気軽かつ快適に見られる環境を望む声は多い。
果たして郡山へのシネコン進出は実現するのか。今後も動向を注視していきたい。
