昨年11月16日に投開票された福島市長選で前衆院議員の新人・馬場雄基氏(33)が初当選した後、混乱の様相を見せているのが立憲民主党県連だ。
立憲民主党福島市支部は3選を目指した現職・木幡浩氏(65)を推薦した。選挙中は福島市が選挙区(福島1区)に入る金子恵美衆院議員も木幡氏の応援マイクを握った。
馬場氏は衆院議員時代、立憲民主党所属だったが、市長選では完全無所属を打ち出して選挙戦に臨んだ。同党の最大の支持母体である連合福島は同党、国民民主党、社民党、県議会会派・県民連合でつくる「5者協議会」で木幡氏の支持を決めたため、馬場氏との関わりを解消する方針を示していた。
ところが、立憲民主党関係者の中には「組織としては党を離れた人を応援できないが、個人は別」と馬場氏を推した人が少なくなかった。一部の国会議員、県議、市議も水面下で馬場氏を支援した。党として物心両面から支援する公認とは異なり、選挙運動を手伝う程度にとどまる推薦では「木幡氏を応援しろ」と党員を縛ることはできない。
結果、馬場氏が立憲民主党関係者からも多くの支援を受けて当選すると、連合福島は激怒した。同党県連に対し、組織のガバナンス欠如を理由に、主催行事への県連代表の参加要請を当面見合わせるなど関係を凍結することを明らかにした。
これを受け、立憲民主党県連の小熊慎司代表(衆院議員、福島3区選出)は責任をとるとして県連に代表を辞任する意向を伝えたほか、宮下雅志幹事長(県議、会津若松市)も進退の判断を委ねる意思を示した。実際に馬場氏の支援に回った亀岡義尚県議(伊達市・伊達郡)も県連に離党届を提出し、12月3日付で承認された。
「こうした状況に強い危機感を募らせているのが金子衆院議員です」
と話すのは伊達地方の議員経験者だ。
「金子氏は『もし今、衆議院が解散されたら相当厳しい』と、支援者らに態勢の引き締めを促す電話をかけまくっています」(同)
金子氏は福島1区で、自民党の亀岡偉民衆院議員と直接対決を繰り返し、ことごとく退けてきた。背景には①出身地の伊達市で強さを発揮した、②出身高校の福島女子高OGの後押しがあった、③亀岡氏の不人気が幸いした――等々があったが、最大の要因は、前述・5者協議会が機能し、他県では見られない共産党の支援も加わっていたことが当選の大きな力になっていた。
「しかし、今回の市長選で立憲民主党県連が連合福島を怒らせたことで、今後、5者協議会が機能するのか不透明になった。このタイミングで衆議院が解散されたら、最大の支持母体からこれまで同様の支援が得られるかは分からない。金子氏が焦るのも当然です」(同)
金子氏が焦るもう一つの理由は、相手が亀岡氏ではなくなることだ。
前回(2024年)の衆院選で落選した亀岡氏は自民党を離党し、現在、公選法違反(寄付行為)をめぐる公判の渦中にいる。同党公認での立候補が難しい中、金子氏は新たな候補者と議席を争うことになる。
「当然、亀岡氏に替わる福島1区の公認候補は若い、女性など今までにない要件が求められる。一部に前参院議員の佐藤正久氏(65)を推す声があるが、新鮮味に欠ける人を立てられては困る」(福島1区のベテラン自民党員)
自民党の公認候補が誰になるのか現時点では分からないが、金子氏にとって与し易い相手になることはないだろう。金子氏の政治生命が維持されるかどうかは、連合福島との関係改善がカギになる。

























