【福島県石油商業組合】中村謙信理事長インタビュー

【福島県石油商業組合】中村謙信理事長インタビュー

 なかむら・けんしん 1960年生まれ。明治大卒。会津日石販売㈱代表取締役。2020年6月から福島県石油商業組合理事長を務める。

 ――組合の主な取り組みについて。

 「業務は多岐に渡りますが、一番の目的は県内の石油の安定供給です。中でも、災害時にはどのルートから的確に供給できるかが大きな課題となってきます。過去の震災において、建物の倒壊があった中、SS(ガソリンスタンド)は構造上、設備の損傷は少なかったものの、従業員も被災しており、なかなか人が集まらず営業がままならないケースや、一般の方や緊急車両を含め多くの方々が給油されたことにより、在庫の燃料が尽きて供給できない事態に見舞われるケースがありました。SSは大元の供給があって初めてお客様に燃料を供給できるので、そうした緊急事態の際、組合は各方面から情報を集め、行政との橋渡しの役割も担うので、平時だけでなく、災害時の安定供給を担うのが当組合の大きな役割であると考えています」

 ――物流業界の「2024年問題」が課題となっていますが、石油業界への影響は。

 「石油を運搬するタンクローリーのドライバーの労働環境は決して良好とは言えません。タンク容量が限られている中で効率良く運ぶためには、タンクに8割~満タンを入れることが不可欠ですが、近年は効率追求のため計画配送が主流で、各SSで少量のロットで配送してほしくても元売りから受け付けてもらえない実情があります。とはいえ、少量ロットでの配送は仕入れ単価が高くなる問題もあります。加えてトラックドライバーの時間外労働の上限規制、燃料自体の単価高騰など様々な問題が混在し、かなり複雑な様相を呈していると言えます」

 ――水素ステーションの設置が進んでいます。

 「水素ステーション設置のコストの高さに対して水素自動車の需要は伸びておらず、商売としてはまだ成り立っていないのが現状です。今後、水素自動車が普及していけば水素ステーションの増加は期待できますが、いまのところ見通しは立っていません」

 ――今後の重点事業について。

 「全国石油商業組合連合会ならびに当組合では、『満タン&灯油プラス1缶運動』を展開しています。これは車の燃料を満タンにし、灯油も1缶多めに備えておくことで、災害時のトラブル回避を呼び掛けるものです。先日の能登半島地震を見ると電気が寸断されて暖が取れない状況が起きていますが、石油は独立性、可搬性に優れたエネルギーですので少量であれば自家用車でも運搬ができ、車内暖房も利用できるので、災害時における利点は大いにあると見ています。

 また、近年は合成燃料の開発も進んでおり、二酸化炭素の排出抑制に加え、既存のSS設備をそのまま利用できるので、導入コストを抑えることができます。

 そうした中で、石油も含めたエネルギーが選択可能な社会になっていけばと考えています」

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