【福島河川国道事務所】丸山和基所長インタビュー(2024.2)

【福島河川国道事務所】丸山和基所長インタビュー(2024.2)

経歴

まるやま・かずき 1981年生まれ。北海道大学工学部卒、同大学院工学研究科修了。国土交通省水管理・国土保全局水資源部水資源計画課総合水資源管理戦略室課長補佐などを経て、2022年5月から現職。

 ――現在、工事が進められている福島西道路の整備状況について。

 「福島西道路(Ⅱ期)は、福島市を南北に縦貫する国道4号の交通混雑や伏拝地区の急勾配区間における冬期のスタック車両による交通への影響などの課題解決に向けた延長約6・3㌔のバイパスです。現在、延長約1・8㌔の(仮)浅川トンネルの掘削工事、(仮)大森川橋の上部工架設工事、(仮)西ノ内こ道橋の下部工工事、松川地区の土工・構造物などの改良工事を進めているところです」

 ――「阿武隈川緊急治水対策プロジェクト」の進捗状況と、遊水地の農業利活用について。

 「令和元年東日本台風では、阿武隈川流域において既往最大の洪水により、堤防が決壊するなど各地で甚大な被害が発生したことから、ハード・ソフト両面の治水対策について10年間のプロジェクト『令和の大改修』を実施しています。河道掘削は今年度末で全体計画220万立方㍍のうち約170万立方㍍(約8割)の掘削を目指して工事を進めており、遊水地整備では用地協議や代替地整備、橋梁の架替等を実施しているところです。

 また、遊水地の利活用については、有識者らによる利活用検討会の発足に向け調整を進めているところであり、農用地としての利用など地域の皆さまの意見も踏まえながら、持続可能で現実的な土地利用の実現に向け検討を進めてまいります」

 ――国道399号伊達橋の今後の見通しについて

 「伊達橋は、復旧に高い技術力を要することから国の権限代行で実施しているところですが、復旧工事には相当の期間を要することから、地域の交通確保のため橋長301㍍の仮橋を設置することとし、昨年10月29日に開通したところです。仮橋の設置については、関東地方整備局、北海道開発局が保有する応急組立橋を活用することにより早期開通に努めています。現在、既設上部工の撤去工事を実施中で、順次、下部工や上部工に着手する予定です」

 ――その他重点事業について

 「1つは『流域治水2・0』です。近年の気候変動を踏まえると、2040年頃には降雨量が約1・1倍、流量が約1・2倍となることから、流域治水の取り組みを加速化・深化させる『流域治水プロジェクト2・0』に取り組みます。併せて、地域の皆さまが、災害リスクを『自分ごと』として捉え、主体的に行動していただくとともに、みんなのためにとの考えで流域にも視野を広げていただけるように、流域治水の広報、リスク情報の提供、教育活動等にも取り組んでまいります。

 もう1つは『福島北道路』です。福島市北部の国道4号における渋滞や事故などの課題解決を目的として、福島北道路の事業化に向けた調査を進めています。今年度は地域の皆さま方に、当該調査区間における課題等についてご意見を伺う予定としています。

 これら社会資本の整備により『安全・安心で活力と魅力ある地域づくり』に貢献してまいりたいと考えておりますので、皆さま方のご理解とご協力を引き続きお願いいたします」

 

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