――村長就任からこの間を振り返って。
「まずは、村民の皆さま方のご支援・ご協力に深く感謝いたします。職員、議会、近隣の首長の皆さまにお支えいただいており、初心に返り謙虚な姿勢で村政運営に努める考えです。昨年11月に『村民の声をお聴きする日』を設け、村長室を開放したほか、今年6、7月には村内11行政区で『村民懇談会』を開き、忌憚のないご意見をいただきました。それらに磨きをかけ施策に反映させていきます」
――複合型水辺施設「乙な駅 たまかわ」が9月28日にグランドオープンします。
「著名な建築家・隈研吾氏が設計し、震災後、空き家となっていた阿武隈川沿いの建物を隈氏の協力も得ながら、新たな交流拠点施設としてリノベーションしています。クラフトビール製造工場、カフェ、レストラン、観光案内所、サイクリスト・カヌー利用者向け休憩所の機能を備えます。民間が資金調達を行い設計・建設・運営する『DBFO方式』を採用し、運営予定の民間事業者が設計当初から携わっています。集いやすく利用しやすい空間づくりに取り組んだことで、川の魅力を安全に楽しめる施設となり、交流人口創出の起爆剤として大いに期待しています」
――今年度の重点事業について。
「喫緊の課題である、阿武隈川遊水地群整備計画では、住居移転などを余儀なくされる対象者に寄り添った対策の実現に向け、国と協議・調整していきます。最重要課題の一つである人口減少対策については、①仕事、②住居、③教育、④医療、⑤切れ目のない子育て支援や高齢者福祉の充実と生活インフラの整備、⑥移住者向けの手厚い支援などの総合政策を展開します。5月には移住者を支援する『玉川くらしサポートセンター』を設置し、今年度より全職員を『情報発信員』に位置づけ、情報発信力を強化しながら交流・関係人口創出や地域振興策に取り組んでいます。JR泉郷駅前の活性化、集落活性化事業、基幹産業の農林業・商工業の振興、高齢者・交通弱者対策としての『御用聞きサービス事業』、デジタル化推進を狙いとする『手ぶらキャッシュレス実証事業』に鋭意取り組んでいます」
――今後の抱負を。
「私の信念は『生まれて良かった、住んで良かった、選んで良かった玉川村』に集約されます。社会情勢が激しく変化し、既存の手法や価値観では対応が困難な時代です。前例主義にとらわれず、常にチャレンジ精神で課題解決に挑戦しながら、村民の皆さまが安心、安全を実感し快適に暮らせる生活環境、質の高い行政サービスを提供する『玉川モデル』の創造に向け尽力していく考えです」