【ひまわり信用金庫】上條博英理事長インタビュー

【ひまわり信用金庫】上條博英理事長インタビュー

経歴

かみじょう・ひろひで 1957年生まれ。青森県出身。青山学院大卒。全国信用金庫連合会(現信金中央金庫)入会。総務部長などを経て、今年2月、ひまわり信用金庫入庫。4月に経営企画部長に就任し、6月から現職。

 ――6月に開かれた総代会・理事会で新理事長に選出されました。

 「19年間にわたりトップリーダーを務めてきた台正昭前理事長に代わりかじ取り役を託され、責任の重さを感じています。次の100年を見据え、地域金融機関としての役割を果たしていきます。まずは地元の皆さんからの期待や信頼に応え、存在感を示していきたいです」

 ――長年金融業界で働いてきた経験をどう生かしていきますか。

 「信金中央金庫から全国の信用金庫に出向し、役員や理事長などを務めてきました。少子高齢化や人口減少、中心市街地活性化といった問題はどの地域にも共通しているので、過去の経験を生かし積極的に提案していきます。一方で、地域ごとの事情は微妙に異なるので、まず①地域を知る、②地元のお客様を知る、③金庫や職員を知る――ことから進めていきたいです。

 信用金庫は全国的なネットワークを持っているので、復興支援やいわき市の特産品の販売ルート確立など地域活性化のために生かしていきたい。さらに行政や商工会議所などとも連携し、信用金庫として各種課題の解決にお手伝いできる方法を考えていきたいと思います。 

 いわき市は大きな可能性を秘めています。人口31万人で、製造業などの大手企業の生産拠点が進出しており、関連の中小企業も数多くある。信用金庫はそうした中小企業をサポートする専門家なので、強みを生かして経済振興に貢献していきたいですね。協同組織金融機関でいわき市に本店があるのは当信用金庫といわき信用組合さんだけであり、お手伝いできることはまだまだあると考えています」

 ――中小企業は物価高騰の影響に苦しんでいますが支援策は。

 「エネルギー・原料高でコストが上がっているが、販売価格に転嫁するのは容易でない。人手不足、賃上げ、事業承継問題も深刻になっています。そうした中、当信用金庫では中小企業をサポートする目的から、販路拡大や仕入れ先のあっせん、ビジネスマッチングなどを行っています。先日は2026年4~6月に県内で行われるJRの大型観光キャンペーン『デスティネーションキャンペーン』を見据え、JR東日本水戸支社、いわき信用組合と『浜通り地域活性化連携協定』を締結しました。JRと中小企業をつなげ、経済振興につなげていければと考えています。いわき商工会議所と連携し、創業支援チャレンジコンテストや起業家創業支援なども行っています。いずれの場合も、最適なサービスを提供するため、個々の企業・取引先に応じて対応します。それこそが地元信用金庫の強みだと考えています」

 ――今後の抱負。

 「当信用金庫の経営を次の100年につなげていくために、長期的な視点での経営が必要だと考えています。地域の中小企業のお客様のために、①地域社会繁栄への奉仕、②中小企業の健全な発展、③豊かな国民生活の実現――という信用金庫の3大ビジョンを基本に、長期的なスパンを視野に入れて取り組んでいきます。そうすれば、おのずとお客様から信頼され愛される信用金庫になっていくと思います」

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