むらかみ・てるまさ 1955年生まれ。日大東北工業(現・日大東北)高卒。2004年から小野町議を4期務め、その間、議長を歴任。2021年3月の町長選で初当選。
――新型コロナウイルスの影響について。
「医療機関や福祉施設でのクラスターの発生、地域経済の停滞など、さまざまな面で影響がありましたが、感染対策徹底に向けた広報活動や事業者支援などの経済対策により、町民の安全・安心と経済活動の維持に取り組んできました。一方で、コロナ禍の中、町民の皆さんに少しでも笑顔を取り戻してもらうため、昨年10月には感染対策を徹底したうえで3年ぶりに『ふれあいフェスタ』を開催し、さらに今年1月には20歳の集いを催したところです。新たな変異株発生など、まだまだ油断できない状況ではありますが、引き続き感染対策の徹底を図りながら、イベントの開催や観光客の誘客などにより、町のにぎわいを取り戻していきたいと考えています」
――昨年には認定こども園が開園しました。
「町として初の公私連携幼保型認定こども園となりますが、保護者の皆さんに安心と信頼をいただけるよう、当面は町職員の派遣を行うとともに、子育て担当課との定期的な打ち合わせの実施などさまざまな連携を行い、お子さんが心豊かにたくましく成長できるよう支援していきます」
――町民の健康増進の取り組みについて。
「昨年は、ウオーキングコースマップの作成や『ふれあいフェスタ』での健康関連ブースの設置などに取り組みましたが、今年は健康と食を融合させたイベントの開催を検討しています。また、新たなウオーキングコースマップの作成や運動器具の増設、健康づくり講演会の開催など、健康増進に向けた意識の醸成に取り組んでいきます」
――地域連携の強化について。
「田村地方において、さまざまな連携をしていますが、特に観光面では、田村地方の観光協会の連絡協議会が発足する運びとなっているので、今までとは違う魅力的な観光PRが展開されることを期待しています。また、現在、ふくしま復興再生道路として県道吉間田滝根線の整備が進んでいますが、開通されれば、浜通りと中通りを結ぶ重要な路線となり、新たな地域間交流が期待されますので、双葉郡との地域連携についても検討していきたいと思います」
――最後に今後の抱負を。
「地域の活性化です。人口減少と少子高齢化、さらに新型コロナウイルスの影響により、地域活動の維持が難しくなっています。地域づくり協議会の活用などによる新たな地域づくりに向けて、町民の皆さんの理解を得ながら将来に向けた改革を進めていきます。
また、昨年、JR東日本から磐越東線小野新町―いわき駅間において厳しい経営状況にあることが示されたところですが、生活や地域振興のうえで欠かせない路線ですので、田村地方はもちろん、いわき市や郡山市とも連携して存続を訴えていきたいと思います。さらに県立小野高校の統合が決定されましたが、その影響が最小限で済むよう、空き校舎を活用した地域振興対策などの検討を進めていきます。
地域の活性化には、移住人口や交流人口を増やしていく必要があります。空き家についてホームページ上で公開するなどして利活用を進めていくほか、町の魅力をさまざまなツールを活用して発信することで、町に少しでも興味を持ってくれる人を増やしていきたいと考えています」
掲載号:政経東北【2023年3月号】