――公設民営による町内唯一のガソリンスタンドが3月1日に完成しました。
「従来スタンドがあった場所から国道252号、道の駅尾瀬街道みしま宿に隣接する場所に変更しました。そのほか、全油種1㍑当たり5円引きとなる町民割引の実施、日曜日を営業日とするなど営業日の拡大、洗車機の導入、タイヤ空気圧調整などの設備整備を実施したことで、利用者が増加しています。町民からも『利用しやすくなった』との声が寄せられており、道の駅に併設したことで一般客の利用も大きく伸びています。セルフ方式の営業により、主に高齢者が給油方法で困惑するケースが懸念されましたが、スタッフによる親切丁寧な対応で安心して給油できる体制を構築しています」
――地方創生総合戦略の進捗状況についてうかがいます。
「本町の人口は年平均40人程度減少しており、町内の出生数は2022年度0人、2023年度が2人と1桁台が続いています。目標とする合計特殊出生率1・8人に届かない現状です。
ただ、その一方で、昨年度は生活工芸アカデミー受講生3人が卒業して、生活工芸伝承生として町内に居住しているほか、カスミソウ農家に就業した卒業生もいました。昨年度退任した地域おこし協力隊の隊員が町内の林業事業所に就職するなど、移住者が着々と増加しています。
空き家を求める動きも活発になっており、県内居住者が転居しているほか、首都圏のシニア世代がリフォームして思うままの暮らしを満喫するケースもみられます。引き続き、緩やかな人口減少に向けた政策や人口が減少しても持続可能な行政システムづくりに尽力します。
地域資源を活用した雇用創出として、3月に食鳥処理施設が完成したのを足掛かりに『会津地鶏』の処理羽数の増加をはじめ、ブランド力を活用した特産品の開発による雇用増を図っていく考えです。関係人口の創出として、本町の観光施策の方向性を定める『観光ビジョン』を来年度に策定する予定で、本年度は観光事業者と議論を重ね下地作りに努めます。安心・安全な地域づくりとして、県立宮下病院移転に伴う『町保健福祉施設等の整備』や『奥会津4町村在宅医療・介護支援センター』の設置に向けて注力していきます」
――円安による物価高の影響は。
「昨今の物価高は地域経済に大きな影を落としています。本町では地域経済活性化を狙いとする『プレミアム付き商品券事業』を展開し、町内における消費、購買を喚起するべく今後も商工会と連携強化しながら町民の暮らしを守っていきます。
一方、円安の影響でインバウンド需要が伸びる中、本町でも台湾を中心とするアジア圏の観光客が増加しており、宿泊や飲食につながる仕掛けを展開していく考えです」
――その他の重点事業について。
「ふるさと運動50周年事業をはじめ、クラウドファンディングによるテレサ・テン歌碑建立事業、星空を活用したヨガ、観望会などのイベント展開、県立宮下病院移転に伴う町道整備、ひだまり温泉熱活用計画の策定に取り組んでいきます」