【福島県木材協同組合連合会】鈴木裕一会長インタビュー

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【福島県木材協同組合連合会】鈴木裕一会長インタビュー

 すずき・ゆういち 1948年生まれ。平工業高卒。㈱赤井製材所会長、ダイテック代表取締役、協同組合いわき材加工センター理事長。2018年より福島県木材協同組合連合会長に就任。3期目。

全国有数の林業県として森林資源を有効活用していく

 ――福島県木材協同組合連合会の沿革ならびに事業概要について。

 「福島県内の各方部にあった木材業者による地区協同組合の活動の総合的な調整や、全県的な相乗効果を高めるため、1964(昭和39)年3月25日に当連合会が設立されました。その後、会員の相互扶助の精神に基づき、会員のために必要となる共同事業等に取り組みながら会員の自主的な経済活動を促進し、経済的地位の向上を図ることを目的に各種事業を展開してきました。

 現在、県内における良質な木材の素材生産、流通、木材加工・販売事業者約230組合員により構成される協同組合23組合を会員とし、木材の利用促進活動、木材産業振興対策、木製品に関する証明、JAS製材品の普及、各種受託事業等に鋭意取り組んでいるところです」

 ――本県の森林資源や森林産業の現状についてうかがいます。

 「本県の森林面積は97万3000㌶で県土面積の約71%を占めています。うち人工林面積は33万4000㌶で、人工林率は34・3%となっています。太平洋戦争後、スギを主体に造林された森林資源は年々充実してきており、まさに利用期を迎えていると言っても過言ではありません。丸太の伐採を担う素材生産事業者と製材・加工事業者等の連携強化による利用促進の取り組みにより、丸太生産量は全国8位で、全国有数の林業県に位置づけられており、生産される製材品の約80%が関東圏を中心に出荷されています」

 ――福島県産木材を住宅の新築・増改築に使用することで、さまざまな商品と交換可能なポイントが贈られる「ふくしまの未来を育む森と住まいのポイント事業」の概要と利用状況についてうかがいます。

 「県産木材を積極的に使用した木造住宅を新築・増改築・購入した建築主に対して、本県産の農林水産物や商品券等と交換可能なポイントを交付する事業です。本県の豊かな森林環境を保全し、循環型社会の形成を図る狙いがあります。使用している構造用部材の木材使用量によって20万~50万のポイント数が決定され、さらに本県産木材のうち一定量の森林認証材を使用すると10万ポイントが加算されます。今年度の事業の詳細や募集期間(※予算がなくなり次第終了)に関しては当連合会のホームページを参考にしていただければ幸いです」

 ――今年度の重点事業について。

 「『伐って、使って、植えて、育てる』をスローガンに据え、森林資源の循環利用に向けた事業を一層推進していきます。また、『都市(まち)の木造化推進法』に基づき、商業施設や事業所等の非住宅分野における木材利用の促進をはじめ、大径材を活用した中高層建築物における木造化・木質化の促進に努めます」

 ――今後の抱負を。

 「木材業はかつて斜陽産業とみられていましたが、加工・管理技術の向上も相まって国内における国産木材のシェアは年々高まっています。環境保護に寄与するなど将来性のある産業なので、今後も業界の発展に一層尽力してまいります」

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