昨年、いわき市の「いわき秀英高校」で2年生の女子生徒が男子生徒2人から相次いで性的暴行を受ける事件が発覚した。女子生徒は、男子生徒Aとは法的決着がついたが、男子生徒Bには告訴状を提出し、現在警察の捜査が続いている。3人はすでに転学しているが、学校は事件をいじめ防止対策推進法に基づく「いじめ重大事態」として県に報告していない。女子生徒側は学校に不信感を抱き「子ども・学校ADR」に仲裁を求めたが、学校は示談に応じなかった。繰り返される非道な対応の背景には、法律の不備と、私立の同高校には県教育委員会の指示・命令権限が及ばない制度の壁がある。
2人の男子生徒から娘が性的暴行された父親が激白

「非道な対応を繰り返す学校は絶対に許せない」
いわき市在住の末吉誠司さん(50代、仮名。以後登場する家族は全員仮名)は怒りで声を震わせる。
公務員として働いていた誠司さんは、原発事故による避難の影響で介護が必要になった義理の親を世話するため仕事を辞め、現在は娘の香織さん(18)と妻の美紀さん(50代)をサポートする毎日を送っている。サポートの中身は精神的ケアが大部分。仕事には復帰できていない。
「娘はフラッシュバックにさいなまれています。妻も自死を考えるほどショックを受け、車の運転ができなくなりました。2人とも市内の医療創生大学で定期的にカウンセリングを受けています」(同)
働き盛りの夫が仕事に復帰せず、娘と妻を支える理由。そんな娘と妻が受けた深い傷――背景には、両親からすると思い出したくもない娘の身に降りかかった事件があった。
「娘は男子生徒から性的暴行を受けたのです。それも、加害者は1人ではなく2人」(同)
おぞましい事件の舞台となったのは、いわき市泉町にあるいわき秀英高校だ。2023年4月に同高校に入学した香織さんは、クラスメイトの男子生徒2人から性的暴行を繰り返され、昨年8月に転学を余儀なくされた。加害者の2人も同時期に転学している。
事件に触れる前に、いわき秀英高校とはどんな学校なのか。
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