【郡山市】椎根健雄市長インタビュー【2025】

【郡山市】椎根健雄市長インタビュー【2025】

経歴

しいね・たけお 1977年生まれ。安積高校、新潟大学農学部卒。国会議員秘書を経て県議4期13年、その間、県民連合議員会政調会長などを務める。座右の銘は一所懸命。

 ――4月に行われた市長選で初当選されました。

 「身の引き締まる思いでいっぱいです。就任から1カ月が経過し、郡山市を前進させ、さらなる飛躍へと導いていく重責をひしひしと実感しています。選挙期間中にお約束した『三つの約束』と『六つの政策』を具現化すべく、来たる6月定例会に向けて日々強い決意を持って市政運営に臨んでいます。市民の皆様の期待に応えるべく、全身全霊で取り組んでいく所存です」

 ――歴代の郡山市長では最年少で県内の現職市町村長の中でも最も若い首長となったわけですが、この点についてはどう思われますか。

 「確かに注目されるかもしれませんが、全国的に見れば私より若い市町村長が多数誕生しており、新しい時代が確実に到来していることを感じています。私自身が若い世代であることに加えて、そうした新しい世代の力を市政に積極的に取り入れることで、郡山市に新しい風を吹き込み、まち全体に活気と元気をもたらしたいと考えています。

 一方、市役所の中に目を移しますと、私よりも年上で行政経験豊富なベテランの方々が部局長を務め、私よりも若い方々が現場の最前線で働き、私と同世代の方々が政策をまとめたり事業を立案するなど、幅広い世代が連携して市政を動かしています。私は年齢的に言えば、ちょうど真ん中で、いろいろな声を聞きやすい位置にいると思うので、そういう声を吸い上げながら市政の舵取りを担っていきたいと思います」

 ――郡山市の課題は何だと思われますか。

 「郡山市が直面する最も大きな課題は人口減少と少子高齢化です。この二つの課題は密接に絡み合っており、それに伴う経済の停滞も深刻な問題です。特に若い世代の首都圏への流出は依然として止まりません。彼らが地元に定着し、地域を支える人材として活躍できるような魅力づくりが急務であると考えています。

 具体的に申し上げると、働く場の選択肢が限られていること、子育てに対する不安や負担が大きいこと、教育環境のさらなる充実が必要であることなどが挙げられます。これらの課題は市単独で解決できるものではなく、国、県、周辺市町村との連携によるアプローチが不可欠です。それぞれの課題を個別最適ではなく全体最適で捉え、相乗効果を生み出す政策を展開していくことが必要だと考えています」

 ――郡山市をどんなまちにしたいとお考えですか。

 「私は郡山市を『選ばれるまち』にしたいと思います。選ばれるまちとは、単に住みやすいだけでなく、将来に希望を持ち、夢を描き、そして挑戦できる場所です。特に若い世代にとっては『自分の可能性を広げられる』『安心して子どもを産み育てられる』と心から思えるような環境が整っていることが重要です。

 そのためには、何と言っても魅力的な雇用の創出が不可欠です。地域経済を活性化させ、多様な産業を誘致・育成することで、若者が地元で専門性を生かせる、やりがいのある仕事を見つけられるようにしていきます。次に質の高い教育機会の提供です。幼少期から高等教育まで、一貫して子どもたちが個々の能力を最大限に伸ばせるような教育環境を整え、未来を担う人材を育成します。そして、地域全体で子育てを支える体制の強化です。経済的な支援はもちろんのこと、安心してお子さんを預けられる保育施設の充実、地域の子育て世帯が孤立しないような交流の場の提供など、きめ細やかな支援を通じて子育て世代が笑顔で暮らせるまちを目指します。

 また、郡山市には猪苗代湖に代表される豊かな自然、安積疏水や開成館のような歴史的建造物と、それらによって育まれてきた文化など多くの魅力的な地域資源があります。これらの資源を最大限に生かし、シテ
ィセールスにも力を入れていくことで、市外からも多くの方に訪れていただき、郡山市の活力を高めていきたいです。住む人、訪れる人、誰もが郡山市の魅力を感じられるような活気あふれるまちを目指します」

 ――郡山市の今後のまちづくりに寄与すると思われるのが、男子プロバスケットボールの福島ファイヤーボンズや女子バレーボールのデンソーエアリービーズが郡山市をホームタウンにしていることです。まちづくりにおけるスポーツの力と可能性についてはどうお考えですか。

 「スポーツはまちに一体感を生み出し、活力を与える大きな力と可能性を秘めています。福島ファイヤーボンズやデンソーエアリービーズが郡山市をホームタウンとし、またBCリーグの福島レッドホープスが活躍していることは市民の皆さんの郷土愛を育み、誇りとなるだけでなくまちづくりにおいても多大な貢献をもたらすと確信しています。

 具体的には、トップスポーツの試合が開催されると、市外からも多くの観客が訪れ、飲食や宿泊、物販など広範な経済波及効果が期待できます。また、子どもたちにとってはトップの選手たちが身近に存在することで、スポーツに対する夢や希望を抱くきっかけとなり、健全な育成につながります。市民の皆さんが一丸となって応援することで、地域の結束力も高まります。

 私自身もスポーツを通したまちづくりには非常に力を入れていきたいと考えており、今後、具体的な方策を示していきます。トップスポーツチームとの連携をさらに強化し、例えば、子どもたちを対象としたスポーツ教室の開催、地域イベントへの選手の参加、スポーツを核とした新たな観光コンテンツの開発など、多角的なアプローチでスポーツの力を最大限に引き出し、郡山市全体の元気と活性化につなげていきたいと思います」

 ――最後に抱負を。

 「県議として4期13年間、様々な経験を積んでまいりました。ただ、県政に携わる中でも、基本は郡山市にまつわる課題や事業について質問をしたり、市民の皆さんの声を聞き歩いてきました。県議会における私の質問は市民の皆さんの声がベースになっており、県政の中で郡山市が良くなるような活動を心掛けてきました。

 県議から市長に立場は変わりましたが、市民の皆さんの声を聞き、その思いを市政に反映させるという私の政治信条は変わりません。そこに県議時代に培ってきた県政全体を俯瞰する視点や、国・県との連携の重要性に対する認識は、郡山市が抱える複合的な課題に対処していくうえで必ずや役立つと確信しています。市民の皆さんが笑顔で暮らせる『選ばれるまち』を実現するため、全身全霊で市政運営に取り組んでまいります。郡山市の未来を創造する新たな挑戦に、どうぞご期待ください」

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