――村長就任から半年経過しました。
「まずは職員にあいさつをお願いし、役場内の雰囲気を刷新するところから始めました。少しずつ改善されつつあるのを実感しています。併せて、定住促進につなげたいという思いから、選挙戦で公約に掲げた子育て支援策として給食費無償化を実現しました。また、今年度は定員30人の放課後児童クラブに定員を超える応募がありましたが、様々な工夫をこらして希望者全員を受け入れました。今後も臨機応変に対応し、保護者の皆さんに安心して働いていただけるよう、放課後児童クラブの充実を図ってまいります」
――現在取り組んでいる重点事業は。
「県内で初めて『保育園留学』を実施する予定です。首都圏などにお住まいの方に、テレワーク・リモートワークで村内に滞在しながら仕事をしてもらい、そのお子さんには村内の保育所に通園していただく。お子さんはさまざまな自然体験ができます。都会では経験できない自然の中で子育てする魅力を知ってほしいですし、移住促進はもちろん、アクティビティーや農家民宿を行うことによる収益増加、賃貸・シェアオフィスによる空き家の利用促進などの効果が得られるものと期待しています。
また、好調に稼働する『湯の田温泉さぎり荘』周辺の村有地に、もみじなどの樹木を植栽し景観整備による関係人口の拡充を図っていきます。集客の増加に伴い、農家の野菜などを販売している『手まめ館直売所』の収益増加、そして農家の皆さんの所得増、さらには田畑を耕作することにより景観を守るという形で循環していきます。加えて、学校給食に使用される村内・県内産野菜の利用割合を7~8割まで高め、農薬や化学肥料を使わない有機野菜を子どもたちに提供したいと考えております。『美しい景観と安全・安心で美味しいものがあるところに人は集まる』との考えのもと、各事業に取り組んでまいります」
――デマンド交通の実証実験の手応えは。
「免許を返納した高齢者の方々の支援という視点から、昨年11月に実証実験を開始しました。多くの村民の方々から反響をいただき、冬季以外のデータも取るため、実施期間を来年3月まで延長することになりました。実証実験を踏まえ、今後本格的な導入に向けて協議していく考えです。利用者の方々へのアンケートを見ると、『行き先をもっと増やしてほしい』という声がありました。現在はJR塙駅、塙厚生病院の2カ所ですが、『買い物に行くので棚倉町まで運行してほしい』という声もあるので、そうした要望も検討していきたいと考えています」