グランデコ売却先は本誌既報通りの「中国系企業」

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裏磐梯グランデコ経営譲渡の余波

 福島民報(11月23日付)に「『グランデコ』譲渡先決定」という記事が掲載された。以下は同記事より。

 《北塩原村裏磐梯のリゾート施設「グランデコリゾート」の譲渡先は、北海道の星野リゾートトマムやキロロスキー場を所有するイデラキャピタルマネジメント(本社・東京都港区、山田卓也社長)となる。21日、関係者が示した。運営はイデラキャピタルマネジメントの子会社ザ・コート(同、柱本哲也社長)が担う。現在施設を運営する東急不動産が経営から完全撤退する来年4月以降も、スキー事業、「富良野自然塾」などのグリーンシーズン事業を継続させる(後略)》

東急ホテル【裏磐梯グランデコホテル】
東急ホテル

 この件については本誌昨年5月号に「裏磐梯グランデコ『身売り』の背景」という記事を掲載し、詳細をリポートしていた。

 その際、東急不動産に「譲渡先はどこになるのか」と問い合わせたところ、同社の回答は「非公表ですが、日本国内でもスキー場等、事業展開している法人です。当社も過去に取引があり、信頼できる法人です」というものだった。

 ただ、本誌記事では「本誌取材では、イデラキャピタルマネジメントという会社が引き継ぐとの情報を得ている」と書いた。以下は同記事より。

 《(イデラキャピタルマネジメントは)資産、財産、投資信託などのマネジメントが主業務で、もともとはエムケーキャピタルマネージメントという会社だったが、2012年に同業のアトラス・パートナーズと合併して現称号になった。2014年には中国の巨大複合企業「復星集団(フォースン・グループ)」の傘下に入り、その直後は代表取締役をはじめ、役員は親会社(復星集団)の関係者と思われる中国人名が多かった。同社が不動産の管理を行い、スキー場、ホテルの経営は、同社の100%子会社「The Court(ザ・コート)」という会社が担う》

 今回の地元紙の報道で、譲渡先・運営会社は当時本誌が得ていた情報通りだったことが明らかになった。

 地元住民によると、「地元採用の従業員は、希望すれば新会社で引き続き雇用してもらえるようですし、運営会社が変わっても、地元にはさほど影響がないと思う」という。

 裏磐梯地区は、県内でも降雪時期が早いうえ、春先まで営業することができ、オープン期間が長いのが特徴。一方で、地元住民によると、「一昔前は、首都圏、北関東、浜通りなどからのスキー客は、金曜日の夜に来て日曜日まで滞在する人が多かったが、近年は日帰りがほとんどになった」という。

 つまりは、スキー場は安定した利用客が見込めるが、付随するホテルの稼働率をいかに上げるかがポイントになりそう。

 外資系(中国系)企業に経営権が移るということは、中国をはじめとした外国人観光客の呼び込みに力を入れるのではないか、といった見方もある。いまはコロナ禍で海外からの呼び込みは難しいだろうが、コロナが落ち着けば、そういった戦略を講じていくことが予想される。いずれにしても、新会社の手腕が注目される。

グランデコリスノーゾートのホームページ

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