裏磐梯グランデコ経営譲渡の余波

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裏磐梯グランデコ経営譲渡の余波

 本誌昨年5月号に「裏磐梯グランデコ『身売り』の背景」という記事を掲載した。北塩原村の「グランデコスノーリゾート」、「裏磐梯グランデコ東急ホテル」を所有する東急不動産は、昨年4月までに両施設を譲渡する方針を決めた。その際、同社に「譲渡先はどこになるのか」と問い合わせたところ、「非公表ですが、日本国内でもスキー場等、事業展開している法人です。当社も過去に取引があり、信頼できる法人です」との回答だった。

【中国系企業】イデラ社が不動産の管理、ザ・コートがスキー場、ホテルの経営

 ただ、本誌取材で「イデラキャピタルマネジメント(以下「イデラ社」と略)という会社が引き継ぐ」との情報を得たため、記事では新会社がどんな会社なのかをリポートした。イデラ社は中国の巨大複合企業「復星集団(フォースン・グループ)」の傘下で、役員は親会社(復星集団)の関係者と思われる中国人名が多い。同社が不動産の管理を行い、スキー場ホテルの経営は、同社の100%子会社「The Court(ザ・コート)」が担う。


 昨年7月1日付で東急不動産からイデラ社に施設が譲渡されたが、今年3月末までは東急不動産(実際の運営はグループ会社の東急リゾーツ&ステイ)が運営した。東急不動産がスキー場のラストシーズンの営業をしながら、新会社に引き継ぎをした格好。ちなみに同スキー場は、例年は4月も営業していたが、今年は3月末でクローズした。4月からは正式にイデラ社、ザ・コートの管理・運営体制になった。

 そんな中、地元の観光業者から「東急リゾーツ&ステイ完全撤退のタイミングでリストラが始まっている」との情報が寄せられた。

 以前、東急不動産に「譲渡後の地元採用の従業員の扱いはどうなるのか」と問い合わせたところ、同社からは「譲渡後も2023年3月まで今までと変わらず、当社グループにて運営を致します。その後に関しては、雇用が維持されるよう譲渡先とも協議し、努めてまいります」との回答だった。

 地元住民も「地元採用の従業員は、希望者は新会社で引き続き雇用してもらえるようですし、運営会社が変わっても、地元にとってはそれほど影響はないと思います」と語っていた。しかし、実際は雇用が維持されない、といった情報が寄せられたのである。

 ある関係者に確認したところ、従業員の入れ替わりがあるのはどうやら間違いなさそう。

 「季節雇用のアルバイトについては、来シーズンも雇ってもらえると思うが、東急リゾーツ&ステイの正社員は、同社のほかの施設への異動辞令が出ているようだ。だから、『リストラ』というのはちょっと違うと思うが、異動する人もいれば、異動がイヤで辞める人もいる」

 東急不動産に問い合わせたところ「人事のことですので詳細は控えますが、こちらに残られる方もおれば、新運営会社に移られることを希望する方もおられます。以前お伝えした方針は特に変わっておりません」とのこと。

 一方、新会社(現地の責任者)にも問い合わせたが、コメントは得られていない。

 そのほか、地元住民の中には、「新会社は中国国内の富裕層を誘客することが考えられ、今後、スタッフの中国人化が進むことも想定される。村内にそのコミュニティー(中国人ムラ)ができるのではないか」と懸念する声もある。

 同村はバブル期にリゾート開発目的で「胡散臭い人」や「詐欺師まがいの人」が多数入ってきた。そんな過去もあって「よそ者」への警戒心が強い。だからこそ、そういう懸念の声が出てくるのだろうが、ひとまずは新会社がどういった経営をしていくのかを見守りたい。

譲渡後の新ホテル「EN RESORT Grandeco Hotel」は7月1日(土)グランドオープン

「EN RESORT Grandeco Hotel」のホームページ

グランデコ・マウンテンリゾートのホームページ

EN RESORT Grandeco – SUMMER
EN RESORT Grandeco – FALL

グランデコ・スノーリゾートのホームページ

EN RESORT Grandeco – WINTER

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