政経東北|多様化時代の福島を読み解く

【棚倉町】湯座一平町長インタビュー

【棚倉町】湯座一平町長

子育て・教育環境の充実と健康寿命の延伸を図る

ゆざ・いっぺい 1961年生まれ。福島大経済学部卒。2012年9月の棚倉町長選で初当選。2020年8月の町長選で無投票での3選を果たした。

 ――町長選で掲げた公約の進捗状況についてうかがいます。

 「教育分野については、課題解決能力やコミュニケーション能力など〝生き抜く力〟の養成を主眼に置いた『キャリア教育』を推進しており、文部科学省からも高い評価を得ています。今後は、幼・保、小、中、高のトータルな連携強化を図りながら、さらなる充実を目指します。また、自分で学習目標を立て、その習熟度を可視化する『ロイロノート』を導入し、学力向上につなげていきます。

 まちづくりについては、『棚倉町歴史的風致維持向上計画』に基づき、メーン通り一帯の街路灯の改修、棚倉城跡周辺道路整備や城下道路整備に取り組んでいます。

 健康づくりについては、健康長寿のポイントが食事・運動・社会参加であるという観点から、地域サロンを拠点に、本町が委嘱する健康アンバサダーのもと、健康づくりの指導をはじめ、運動や生きがい活動などを展開しています。

 デジタル化の推進については、この間、町税、水道料金、手数料などの電子決済が可能になる一方、今後は医療補助、水道の使用、健康診断等の申請業務のオンライン化を進めていきます」

 ――新型コロナウイルス感染症や物価高騰に対する町独自の対策についてうかがいます。

 「これまで、生活支援を図るとともに消費喚起を促す狙いから、『たなぐら応援クーポン券』を2回発行(1回目5000円、2回目1万円)しています。これまで約9割が使用されるなど、地域経済活性化をはじめ生活支援に寄与していると考えます。物価高騰対策としては、老人福祉施設や障がい者施設に対して光熱費などの助成事業を実施しています」

 ――2023年度の重点事業について。

 「教育・文化関連に関しては、新たに高校生を対象にした支援策として手当を給付するほか、小中学校施設整備事業を推進し、子育て・教育環境の充実を図ります。また、棚倉町文化センターの大規模改修や棚倉運動広場夜間照明灯設置工事を実施し、スポーツ・文化・芸術活動の発展に努めます。

 福祉に関しては、新たに妊産婦医療費の無償化や健康づくり推進事業を実施し、疾病の早期発見・早期治療の促進や健康寿命の延伸を図っていきます。

 事業所支援に関しては、起業活動の支援はもちろん、既存企業においても新たな事業への挑戦、本町への拠点機能の移転、サテライトの開設などを後押しすべく、『きぎょう支援』事業を展開し産業の振興を図っていく所存です」

棚倉町のホームページ

掲載号:政経東北【2023年2月号】

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