【二本松商工会議所】菅野京一 会頭インタビュー

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 すげの・きょういち 1954年2月生まれ。福島大経済学部卒。糸屋ニット・菅野繊維代表取締役。二本松商工会議所副会頭2期を経て11月から現職。

 2022年11月1日、二本松商工会議所の臨時議員総会が開かれ、新会頭に菅野京一副会頭(68、糸屋ニット・菅野繊維代表取締役)が選出された。コロナ禍、物価高、少子高齢化、後継者問題など、地方の中小企業は深刻な課題に直面している。そうした課題に対し、同商工会議所ではどう対応していく考えなのか。菅野新会頭に話を聞いた。

 ――2022年11月に開かれた臨時議員総会で新会頭に選出されました。率直な感想は。

 「二本松市は中核市である福島市や郡山市の中間地点に位置していますが、『二本松の提灯祭り』が毎年大いに盛り上がることからも分かる通り、郷土愛の強い地域で、100年続く会員事業所も少なくありません。私自身、故郷を離れて一度地元に帰ったとき、安達太良山を見て郷愁にかられ、あらためて郷土への誇りを感じた記憶があります。

 だからこそ、まちを活性化していくには市外から移住してくる人や一度故郷を離れた若い力を積極的に受け入れ、活用していくことが重要です。そういう意味では会議所だけではなく、『オールにほんまつ』で盛り立てていくことが重要だと思います。

 管内には安達太良山のほか、岳温泉、『二本松の提灯祭り』、『二本松の菊人形』など観光資源が多い。もっと言えば、坂道が多い地形など、地元に住んでいる人間にとって当たり前になっているものでも、十分観光資源になり得ます。市やさまざまな団体と連携し、地元の魅力を見つけて磨く作業を続けていきたいと思います」

 ――新型コロナウイルスは感染拡大から3年以上経過しましたが、収束の見通しが立ちません。地方経済にも大きな影響を与えていますが、会員事業所の経営状況はいかがでしょうか。

 「飲食業・宿泊業は特に厳しい状況にあります。今まで国や県から出ていた補助金がなくなり、補償も全くない中で店を閉めた所も少なくありません。これは会議所だけで解決できる課題ではありません。

 当会議所ではコロナ対策を万全にして徐々に会合などを再開させたいと考えており、年始の賀詞交歓会はあだたら商工会と合同で3年ぶりに開催する予定です。ただ、県内では業績不振となった結婚式場が閉鎖しており、当管内でも大人数を収容できるコンベンション会場が少なくなっているのが悩みの種です」

 ――コロナ禍や国際情勢の悪化で物価が高騰しています。会議所としてどのように対応していくべきだと思いますか。

 「企業にとって電力値上げの影響は大きく、特に新電力に切り替えた事業所は苦しんでいます。会議所では経営指導に力を入れていますが、それで乗り切るのも限度があります。国には電気料金の負担軽減策の拡充を行ってほしいと思います。

 今後、厳しい状況が続けば事業所をたたむケースが増えることも懸念されます。ただでさえ、中小企業は後継者問題を抱えています。昨今は銀行から送られる事業承継やM&Aの案内もよく目にするようになりました。子どもがいても、家業を引き継がず、自分自身で目標を持って別なことをするケースが増加しているようです。

 商店街の空き店舗解消にも直結する重要な問題ですが、大胆な政策が無ければ解決しないと思います。一方であえて家業を継いで、時代に合わせた新しい形で経営する若手経営者もいます。会議所としてはさまざまな経営者のサポートを継続していきたいと考えています。

 市外から移住者を受け入れ、まちを活性化させるためにも、特色を出すようにして、『この土地で商売をしたい』と思われる地域にしていかなければいけないと思います」

 ――3選を果たした内堀雅雄知事に望むことは。

 「真摯に県政に向き合っていると思うので、今の姿勢を崩さず続けてほしいですね。内堀知事は『オールふくしま』という言葉をよく使いますが、今後も県全体の発展に努めてほしいと思います」

 ――「二本松の提灯祭り」、「二本松の菊人形」が3年振りに通常開催されるなど、今まで中止・延期になっていたイベントが復活しつつあります。今後、どのように観光振興を図っていくべきとお考えでしょうか。

 「提灯祭りには予想以上に大勢の方が訪れ、露店も盛況でした。こういった行事やイベントが待ち望まれているとはっきり分かりました。

 提灯祭りは観光振興という意味でも大事ですが、旧二本松市民にとって精神的支柱であり、祭りがないと活気が生まれません。経済効果も大きいので、たとえコロナ前と形は変わっても、継続していかなければならないと感じました。

 菊人形も予想以上の盛況ぶりでした。〝お城山〟の紅葉が見ごろを迎え、菊が満開のタイミングで開催期間が終了したのが残念でした。

 菊人形の季節には、寺社、事業所、店舗、住宅の前に、菊の鉢植えや菊の花を花器に浮かべた『菊手水』が飾られ、まち全体が菊の花に染まります。1本の茎から1000もの花を咲かせる千輪咲は、日本菊花全国大会で内閣総理大臣賞を獲得しています。

 そういう意味で市を代表する行事であり、今後も『菊のまち』をアピールしていきたいと思います」

意見聞きながら舵取り

 ――菊人形の会場近くの商店街もにぎわっていたようですね。

 「空き店舗を活用した喫茶店や洋菓子店が開業しており、開催期間の週末は多くの来店客でにぎわっていました。SNSなども上手に活用してPRしていたようです。コロナ禍でインバウンド客は少なくなっていますが、海外まで情報が届けば需要の増大にもつながります。発信の重要性をあらためて感じました。

 個々の事業所の発信をコーディネートして連携していけば、点同士がつながり、さらなるまちの活性化につながっていくと思います。喫茶店目当てで市内に訪れた観光客が、別な所に足を運ぶという展開も生まれるはずです。そうした考え方が今後は重要になると思います」

 ――今後の抱負。

 「3年間の任期がスタートしたばかりですが、会員事業所や市民の皆さんに『良くなった』と思われるような実績を残したいと思います。ある意味、激動の3年間になるかもしれません。

 会頭に選出されましたが、私は一人で引っ張っていくタイプではないと思っています。皆さんの意見をとりまとめながら進む性格なので、意見を吸い上げながら、舵取りを行っていきたいと思います。

 副会頭、議員、会議所職員には素晴らしい方が数多くいます。そういった方々と力を合わせて、これまでとは違う会議所を作り上げていきたいと思います」

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