政経東北|多様化時代の福島を読み解く

【福島県ビルメンテナンス協会】佐藤日出一会長インタビュー

【福島県ビルメンテナンス協会】佐藤日出一会長インタビュー

 さとう・ひでいち 1955年4月生まれ。㈱東日取締役会長。2017年5月から福島県ビルメンテナンス協会会長を務める。

 ――2022年3月に発生した福島県沖地震の影響は。

 「相双地域で大きな被害が見られました。がれきなどを処理するための焼却炉が故障し、後片付けが進まなかったため、ビルメンテナンス業務ができなかった事業所があったと聞いています。その他の地域でも地震により建物が使用できない事態となり、郡山市では中央図書館が利用不可になりました。そのほか、ホテルなどで営業休止となりビルメンテナンス業務が困難になった事例もあり、少なからず影響を受けています」

 ――新型コロナウイルス感染拡大の影響はいかがでしょうか。

 「協会としての講習会や研修会は2年間開催を見送り、資料や回覧物を各会員に配布する形で講習会を開催してきました。先日、収容人数を限定した形ではありましたが、ようやく研修会を実施することができました。当協会が各種集会・行事を開催する際は、会員企業の意見も尊重したうえで、検温と手指消毒を徹底し、クラスター発生を未然に防ぐよう取り組んでいます」

 ――会員企業数増加に向けた取り組みの進捗状況を教えてください。

 「加入を勧める際には、まず会費が正会員の3分の1ほどで済む『準会員』として加入していただき、協会の取り組みや活動を見ていただくようにしてきました。その結果、準会員2社に正会員として加入していただきました。正会員26社、準会員7社、敷材などを提供していただいている賛助会員7社の計40社体制となっています。現在も引き続き勧誘を進めており、徐々にではありますが、会員数増加へと転じています。

 当協会は公益社団法人であることも考慮すると、現在の倍は会員数がほしいというのが本音です。15年ほど前、正会員が10社脱退したことがありました。脱退した企業の呼び戻しも含め、会員企業の増強に向け取り組まなければなりません。脱退した企業の中には代替わりした会社もあるので、あらためてアプローチをかけていき、現状から10社増やすことを目標としています。

 次に、県や自治体に、地元企業の積極的な採用を働きかけ、当協会の会員企業が優先的に入札に参加できる仕組みづくりを促したいと考えています。こうした取り組みを続けることで、会員数の増強につなげていきたいと考えています。

 さらには、①建物の環境衛生の保全や維持向上を目的とした資格〝建築物清掃管理評価資格者(インスペクター)〟の養成、②建物から排出される温室効果ガスの削減のため、建物の利便性を維持しながら設備機器の運用改善を行う〝エコチューニング〟の推奨――も進めていきます。

 このほか、県内の支援学校への講習会を通して、多くの生徒さんに技能講習を行っています。社会に出た後に取り組む就労支援などで役立てていただきたい所存です」

福島県ビルメンテナンス協会ホームページ

政経東北【2022年11月号】

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