【福島県中建設事務所】芳賀英幸所長インタビュー

【福島県中建設事務所】芳賀英幸所長インタビュー

 はが・ひでゆき 1967年生まれ。日本大学工学部土木工学科卒。1990年に県職員となり、土木部土木企画課長、道路管理課長などを歴任。今年4月から現職。

 ――4月より県中建設事務所長に就任されました。前職は土木企画課長で県庁から出先事務所に異動しての勤務となりますが、管轄地域の印象等はいかがでしょうか。

 「3月までは県庁勤務でしたが、土木企画課というのは情報共有の要で、各建設事務所の課題や問題解決のために動く縁の下の力持ちのような役割でした。今回は事務所長としての勤務ということで、直接事業に携わり、県民の方々とも直にお話ができる、いわば最前線で仕事ができるという点で非常にやりがいを感じています。県庁には6年間勤務していましたが、個人的には現場での仕事の方が好きなので、その点も踏まえて積極的に取り組んでいきたいと考えています。

 県中建設事務所は郡山市に事務所を構えていますが、私自身、郡山市出身なので非常に愛着もありますし、地域のためだけでなく故郷に貢献していきたいと思いながら事業に取り組んでいきます」

 ――ふくしま復興再生道路として整備が進められている、県道吉間田滝根線の事業進捗について。

 「県道吉間田滝根線は県中地域と双葉地域を結び、浜通り地域の復興を加速化させる目的で整備が進められています。

 その中でもあぶくま高原道路の小野ICから延びる9・2㌔のバイパス事業である広瀬工区は、うち2・6㌔を自動車専用道路区間、残りの6・6㌔区間を一般道区間として整備しています。現時点で外観的にはほぼ完成しているように見えますし、実際の事業進捗率としても90%以上が完了しています。今後は標識類の整備等に取り組み、今年度中に供用開始となる予定です」

 ――昨年11月には国道118号鳳坂トンネルが開通しました。

 「国道118号鳳坂トンネルについては天栄村の方から熱望されていた事業で、開通式後に地域の方から100年来の事業を実現してくれてありがとうという感謝のお声をいただきましたし、地域の方からそうしたお声を直接いただけて非常にやりがいを感じました。天栄村は県中地区に位置しますが、鳳坂トンネルの先はどちらかといえば会津地域と同じ気候で、役場と湯本地区との行き来が困難であったため、物流や観光、救急搬送においても大きな影響を与えていた経緯があります。トンネルの完成によって、それらが円滑に行えるということで非常に高い整備効果が得られたと見ています。また、県中地域の方が南会津方面に行かれる際にも鳳坂トンネルを利用されることが多いので、通勤利用という側面でも大きく貢献していると考えています」

 ――今年度の重点事業について。

 「先述した吉間田滝根線の年度内開通に加えて、石川町において水災害から地域の安全・安心を確保する千五沢ダムの再開発事業を進めており、昨年度には洪水吐き導流部コンクリートと下流護岸工が完成しましたので、今年度は残りの工事を進めて年度内の完成と試験湛水を行う予定です。

 その他の事業として、災害に強い道路ネットワークの構築を目指す国道288号船引バイパスの整備事業を進めており、郡山市側の1工区は平成27年度に供用し、2工区の一部区間も昨年度に供用開始しました。今年度以降は2工区における残りの区間の工事と3工区の用地取得と工事を推進し、早期の全線開通に向けて取り組んでいきます。また、昨年度は、いわき石川線の石川バイパス2工区が供用開始となり、こちらについても残る1工区の工事を推進し、早期開通を目指して取り組んでいきます」

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