本誌5月号で「郡山市『4年連続ごみワースト1』からの脱却」という記事を掲載した。環境省公表の一般廃棄物の排出・処理状況の調査結果をもとに、2020年度から2023年度まで4年連続で、1人1日当たりのごみ排出量が中核市ワースト1だった郡山市の2024年度の状況をリポートしたもの。その後、市から2025年度の速報値が公表されたので、それを基に、あらためて同市の状況について検証する。
2025年度速報値は前年度比大幅減

郡山市は、1人1日当たりのごみ排出量が、2020年度から2023年度まで4年連続で中核市62市の中でワースト1という状況だった。これを受け、同市は2024年11月に改定した「郡山市一般廃棄物処理基本計画」で、「2027年度までに2016年度比のごみ排出量を20%削減」という目標を掲げた。
具体的には、2016年度1215㌘だったものを2027年度970㌘に減らすという目標。「郡山 ごみ減量 20%」のスローガンのもと、「中核市ワースト1位返上に向けたロードマップ」を作成し、それに基づき、生ごみの水切り、食品ロスの削減、リサイクル・分別の徹底などを呼びかけ、ごみ減量化に取り組んでいる。
そんな中、3月27日に環境省から最新の数値(2024年度版)が公表されたことから、中核市ワースト1から脱却できたのかをリポートしたのが5月号記事である。
結論から言うと、2024年度実績は、1人1日当たりのごみ排出量が1074㌘で前年度28㌘減となり、ワースト1を回避した。とはいえ、ワースト2になったに過ぎず、依然として高い水準であることには違いない。
ちなみに、郡山市と入れ替わりでワースト1になったのは函館市で、1人1日当たりのごみ排出量は1077㌘。ワースト2の郡山市は1074㌘だから3㌘しか変わらない。一方、最も少ないのは八王子市の691㌘で、郡山市とは383㌘も違う。中核市平均は861㌘で、郡山市はそれより213㌘多い。
こうした状況をどう見ているのか、市ごみ減量推進課に問い合わせたところ、「こちらの都合で申し訳ないのですが、月末(4月末)の会見で椎根健雄市長から、この件についての説明があります」とのことだった。
要するに、椎根市長から直接、この間の取り組みの中間総括や今後の方針などについての説明があるので、それまで待ってほしいとのことだったのだ。
5月号記事では、締め切りの関係で椎根市長の会見を取材できなかったが、その後、4月27日に市長会見が行われたので、そこで分かったことを伝えたい。
椎根市長は会見で、ワースト1から脱却したことに加え、少しずつ中核市平均に近づいていることを強調した。
目標前倒し達成を視野
一方で、同会見では2025年度の速報値も示された。それによると、2025年度は1人1日当たりのごみ排出量が1016㌘で前年度比58㌘減となった。
前述したように、市は「一般廃棄物処理基本計画」で、2027年度までに970㌘に減らすという目標を掲げている。前号記事では、「2024年度実績は、1074㌘で前年度比28㌘減だから、このペースでは目標(970㌘)が達成できるかどうかは不透明」と書いたが、2025年度速報値では減少のスピードがペースアップした。2024年度の倍以上の減少幅になったのだ。これにより、目標まであと46㌘に迫り、この間の実績を踏まえると2026年度、2027年度で、目標が達成できる見込み。
「2025年度の減少幅で行けば、1年前倒し(2026年度)での目標達成も可能と考えており、そこに向けて引き続き各種取り組みを進めていきます」(市ごみ減量推進課)
市では、目標達成をより確実なものにするため、今年度は「『郡山ごみ減量20%』2026パッケージの取り組み」として以下の取り組みを行うという。
①啓発強化月間
毎月テーマを設定して特定の行動を促す「ごみ減量啓発強化月間」を実施する。7月は草木乾燥月間、8月は雑紙分別減量月間、10月は食品ロス削減月間など。
②廃棄物減量計画書作成事業
一定規模の建築物等の所有者や管理者を対象に、ごみ減量等に関する計画書を作成してもらう。
③除草ごみ減量化事業
除草ごみである草木を乾燥して処理するための乾燥場を新規に設置する。
④飲食店ポップで食品ロス削減事業
市内の飲食店等の協力店で、食品ロスの削減や「3010運動」(※宴会や会食で、乾杯後30分は席を立たず料理を味わい、お開き10分前に席へ戻って料理を食べきることで、食品ロスを減らそうという取り組み)を呼びかける。
ワースト1から脱却し、目標達成も現実的になった。市が掲げる取り組みを徹底すれば、さらなる減少が見込めるだろう。
とはいえ、目標値(970㌘)に届いたところで、全国平均(839㌘=2024年度)、中核市平均(861㌘=同)にはまだまだ及ばない。近年はごみ減量化が社会的課題となり、全国的に減少傾向にあるから、同市が目標を達成できたとしても、そのころには全国平均、中核市平均も2024年度の実績値より減少していることが予想される。全国並みになるのは、さらなる取り組みが求められよう。
加えて、環境負荷の軽減や、ごみ処理にかかる財政負担の抑制、さらには市のイメージ向上といった側面から考えても、計画実施期間である2027年度以降も、恒常的にごみ減量に取り組む必要がある。

























