【福島県交通安全協会】小川則雄会長インタビュー

【福島県交通安全協会】小川則雄会長インタビュー

経歴

おがわ・のりお 1947年生まれ。郡山自動車学校代表取締役会長。県交通安全協会理事、同副会長を経て昨年6月から現職。

 ――1月にJR郡山駅前で飲酒運転による死亡事故が起こりました。

 「大学受験のため郡山市を訪れていた19歳の予備校生が飲酒運転の軽乗用車にはねられて亡くなる痛ましい事故が発生し、運転手が現行犯逮捕されました。福島市では『酒を飲みながら運転している人がいる』との通報により警察官が駆け付け、運転していた男に職務質問したところ基準値を超えるアルコールが検出され現行犯逮捕されています。伊達市でも酒気帯び運転による交通事故で同市職員が逮捕されました。飲酒運転が後を絶たない状況は極めて憂慮すべきことで、当協会としても危機感を募らせています。
 今年は1月から交通死亡事故が発生し『交通死亡事故多発全県警報』が発令される厳しいスタートとなりました。1月末時点ですでに7名の方が交通事故の犠牲になっていますが、特に飲酒運転は重大交通事故に直結する極めて悪質な犯罪です。県民の皆さんには『飲酒運転を絶対にしない、させない』という強い意志を持って飲酒運転の根絶・絶無に努めていただきたいと思います。

 当協会としては大切な命を守るため、関係機関・団体と連携し、広報啓発活動を強化して飲酒運転防止に取り組んでいきますので、ご協力を賜りますようお願いします」

 ――協会では「セーフティチャレンジ事業」を行っています。

 「3人1チームで互いに無事故・無違反を目指す同事業は今年で30回目になります。昨年は約5万9000人の方にご参加いただき、無事故・無違反の達成率は90・6%と過去最高を記録しました。県内の交通事故防止に大きく寄与している事業だと思います。今年も6月から参加受付を開始するので、ご家族やご友人などを誘って多くの方に参加してほしいと思います」

 ――来年度の重点事業について。

 「昨年は県警察、各交通団体と協力して交通安全運動を推進した結果、死者数は51人で前年比4人減少となり、高齢者の死者数も前年比1人減少でした。しかし、発生件数は3086件と前年から増加し、負傷者数も増えてしまい、当初の目標を達成できませんでした。

 交通死亡事故の発生状況を分析すると、全死者数のうち高齢者が6割を占めています。また、走行中や夜間に事故が発生する率が高く、4輪車に乗車中の死者のうち2割がシートベルト非着用であることも分かっています。このような傾向を踏まえ、当協会としては今年も特別重点事項に『交通死亡事故の抑止』を掲げ、地区交通安全協会、関係機関・団体と連携しながら交通安全の諸対策を推進していきます」

 ――今後の抱負。

 「今年は『第11次福島県交通安全計画』の最終年です。当協会としては同計画の目標である①死者数を50人以下②重症者数を380人以下③死傷者数を3200人以下にすることを目指し、今年も引き続き県警察をはじめ関係機関・団体と連携しながら、悲惨な交通事故を1件でも少なくするため、実効性のある諸対策に取り組んでいきます。県民の皆さんにも交通ルールや交通マナーを守り、安全運転を呼び掛けたいと思います。

 最後に、皆さんからお預かりした会費が地域の交通安全運動の大きな支えとなっていることをご理解いただき、交通安全協会への入会をお願いする次第です」

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