【福島県産業資源循環協会】佐藤俊彦会長インタビュー

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【福島県産業資源循環協会】佐藤俊彦会長インタビュー

 さとう・としひこ 1951年2月生まれ。佐藤産業㈱代表取締役。2007年5月から県産業廃棄物協会長を務め、2019年4月から現職。

 ――燃料費・光熱費の高騰が続いています。

 「高騰分は処理費用の中に反映させますが、なかなか排出事業所に認めていただけないのが実情で、理解をいただくのに時間もかかり、現段階では会員企業の多くが経営的に非常に厳しい状況が続いています。今年8月に全国産業資源循環協会が景況動向調査を行ったところ、全国的にも大変厳しい状況が続いています」

 ――労働安全衛生運動に取り組んでいます。

 「我々の業界は労働災害が他産業に比べて非常に高い水準にあります。一時期は建設業の4倍だった時期もあり、2010年度に労働災害防止計画を策定しましたが、昨年は残念ながら休業4日以上の死傷者数は22名でした。特に墜落・転落事故や挟まれたり巻き込まれたりと転倒事故が多いのが実情です。そこで5月に全国産業資源循環連合会との連携のもと第3次労働災害防止計画を策定しました。次の事項について重点事項をまとめて会員の皆様と実施しました。まずは経営者の意識改革。経営者のリーダーシップの下で労使が一体となって労働安全衛生対策に取り組みました。二つ目が労働災害防止活動の推進です。安全衛生規程を作成し、それに基づき労働安全衛生活動に従業員として的確に対処できるようにしていきたい。今年は会員企業の代表者を対象としたトップセミナーをビッグパレットふくしまで開催しましましたが、100名ほどが集まり関心の高さを実感しました。9月からは各方部に分かれて労働安全衛生についての講習会も行っていますが、会員企業のみならず非会員企業にも意識を高めてもらいたいと思っています。ただ残念ながら5月の段階で11名の死傷者数が確認されているのが現状です。もう一度協会全体で真摯に取り組み労働災害発生の減少に向けて会員企業はもちろん非会員企業にも安全衛生の意識を高めてもらいたいと考えています」

 ――今年度の重点事業について。

 「1つは先ほど言った労働安全衛生活動の推進です。2つはカーボンニュートラルの推進。2050年に向けて取り組んでいきたいと思います。3つは会員の処理技術の向上です。処理技術向上のための講習会に対する補助等を行い、技術向上と人材育成を図っていきます。4つは県内では自然災害が頻発しており、協会と県で大規模災害時における災害廃棄物処理等の協定を結んでいます。それに基づき、災害が発生した際は、できるだけ早く対処したいと思っています」

 ――今後の抱負。

 「昨今、我々の業界は求められることが多く、カーボンニュートラルはもちろん、サーキュラーエコノミー社会の関心も高まっています。サーキュラーエコノミーは日本語に訳すと循環経済ということですが、協会一丸となって取り組んでいきたいと思っています」

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