本誌昨年11、12月号で猪苗代町の箕輪スキー場について報じた。昨年10月に同スキー場の今シーズンの営業が危ぶまれているということが表面化したため、その詳細をリポートしたのが昨年11月号記事である。その後、正式に「営業断念」が決まり、12月号では来シーズン以降の見通しについて報じた。
南会津スキー場見直しが影響

その中で指摘したのは「最終的にはISホールディングスグループ頼みではないか」ということ。同グループの代表・遠藤昭二氏は猪苗代町出身。証券事業やFX取引などのISホールディングスを筆頭に、いくつかのグループ企業がある。そのうちの1つに猪苗代スキー場や会津磐梯カントリークラブ、猪苗代観光ファーム(道の駅猪苗代隣接地のいちご園)などを運営している「DMC aizu」があり、同社は最近、猪苗代リゾートスキー場とホテルを取得していた。
そのため、ISグループに引き受けてもらうことが唯一の存続の道ではないかと思われ、関係者によると、実際にその動きもあったという。元従業員の話。
「運営会社のブルーキャピタルマネジメントは、2、3年前から箕輪スキー場とホテルプルミエール箕輪の引受先を探していた。私が知っているだけでこれまでに3社と交渉しており、そのうちの1社がISグループだった。この間、何度か視察に来たが、売却に至らなかったということは話がまとまらなかったということだろう」
当時はそんな話だったが、ここに来て、再度「ISグループが取得するのではないか」といった話が再浮上してきた。
ある関係者はこう話す。
「箕輪スキー場とホテルプルミエール箕輪の入り口はバリケードで封鎖され、スキー場のレストハウスやホテルは鍵がかけられている。両施設の鍵はブルーキャピタルマネジメントの担当弁護士が持っているそうだが、昨年末から今年にかけ、ISグループの従業員が鍵を借りて何度か中に入っている。水道の凍結対策などを行ったようだ」
そのほか、本誌には「ISグループが取得したようだ。金額は〇〇億円だ」とのウワサも伝わっている。現時点では真偽不明のウワサレベルに過ぎないが、この両者の話からすると、ISグループが取得に向けて動いている可能性がある。
さらに、ISグループは、南会津町の北日光・高畑スキー場の指定管理者になっており、その契約期間は2026年3月末で終了する。現在、南会津町は町有スキー場のあり方を検討しており、町の案では、高畑スキー場は2031年末で廃止する可能性が示されている。ちなみに、同町のスキー場見直し議論については、本誌2月号と、今号28ページからリポートしている。
「高畑スキー場は2031年末で廃止すると報じられたが、ISグループは2026年3月末の指定管理契約期間終了で同スキー場から手を引き、高畑スキー場のスタッフを箕輪スキー場に回す考えではないか。どのみち、箕輪スキー場は2025―2026シーズンは間に合わないだろうから。そう考えると、いろいろと都合がいいし辻褄も合う」(前出の関係者)
この関係者はそんな見立てを明かしたが、今後の動きを注視したい。