【浪江町】復興拠点内の競走馬施設が着工

【浪江町】復興拠点内の競走馬施設が着工

 本誌2022年9月号に「浪江町に競走馬施設整備!?」という記事を掲載した。きっかけは、浪江町民からこんな情報が寄せられたことだった。

 「末森地区を中心に、競走馬のトレーニング・リフレッシュ施設の整備計画があるらしい。ただ、ウワサレベルで詳しいことは分からない」

 当時、同町末森地区は、帰還困難区域に指定されているため住民は戻れず、農地などもそのままになっていた。一部は復興再生拠点区域に指定され、2023年3月末に避難指示が解除されたが、それ以外は手付かずの状態。国は復興再生拠点区域以外についても、2029年までに避難指示を解除する方針だが、まだ具体的な動きはない。

 そのため、記事では《競走馬のトレーニング・リフレッシュ施設を整備するとなれば、相応の用地面積が必要になるが、(帰還困難区域に指定されていることから)住民は「使わない(使えない)土地を買ってくれる(借りてくれる)のであれば、むしろありがたい」と協力する可能性は高いのではないか》と書いた。

 一方、その裏では「きな臭いウワサ」も囁かれ、町内の有力者が暗躍しているとの情報もあった。

 その後、昨年秋により具体的な計画内容などが地元紙で報じられ、6月30日には着工したことが伝えられた。以下は7月1日付の福島民報より。

《競走馬の育成事業に取り組む株式会社「Blooming Stables(ブルーミング ステーブルス)」=東京都=が福島県浪江町に整備する競走馬育成施設の工事が(6月)30日、始まった。同日、現地で安全祈願祭が行われ、関係者が無事の完成を祈った。2028(令和10)年4月の開業を目指す。

 末森、大堀両地区の東京電力福島第一原発事故に伴う特定復興再生拠点区域(復興拠点)と、帰還困難区域にまたがる約40㌶の敷地に新設する。馬がトレーニングできる1000㍍の坂路コースや、1200㍍の周回コースを置く。最大512頭が収容でき、競走馬の幼少からレース引退までを管理・育成する。従業員の雇用人数は130人を見込み、従業員寮も設ける》

 日本中央競馬会(JRA)のトレーニングセンターは関東、関西に1カ所ずつあり、関東は茨城県美浦村にある。競走馬は同施設でトレーニングを行い、国内10カ所、あるいは海外の競馬場で行われるレースに参戦する。

 一方で、県内には「ノーザンファーム天栄」(天栄村)がある。同施設HPの施設紹介によると、全11厩舎316馬房のほか、屋外900㍍の直線坂路コースや、屋外1200㍍の周回コースなどの調教施設を備えている。

 ノーザンファーム天栄は、美浦トレーニングセンターからクルマで2時間半、馬運車でもプラス1時間くらいと近いため、競走馬がレースの疲れを癒すためのリフレッシュや、軽い調整などを目的に利用されている。

 浪江町は、美浦トレーニングセンターからの距離や所用時間はノーザンファーム天栄とさほど変わらないため、ノーザンファーム天栄と同等の使われ方がされるのではないか。

 前述したように、同施設をめぐっては町内の有力者が暗躍しているとの情報もあり、よく思っていない町民・関係者もいるが、それはそれとして、ノーザンファーム天栄の事例を考えると、案外、需要があるのではないかとも思える。

工事が始まった競走馬施設
工事が始まった競走馬施設

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