昨年8月、16歳未満と知りながら教え子の女性に性交したとして不同意性交罪に問われた石川町の高校の元部活動指導者の男(40代)に地裁郡山支部(下山洋司裁判長)は7月29日、求刑通り懲役4年の判決を言い渡した。
教え子に性交で求刑通り懲役4年
実刑判決を受けたのは、石川町の元会社社長矢内寛美被告。高校の部活動で指導していた昨年8月上旬、当時15歳だった教え子の女性に自社の休憩室で性交したとして不同意性交容疑で今年2月に逮捕。同罪で起訴された。犯行は少なくとも15回に及んだが、立件されたのは最初の1回のみだった。
矢内被告は「真剣交際」であり、同意なく性交したわけではないと主張したが、昨年7月の法改正で、成人から16歳未満への性交はそもそも「同意」の有無を問わず罰せられることになった。
地裁郡山支部は判決で「被告人は『真摯な交際』や『被害者の意思に委ねた』と主張したが、自由な意思決定があったとは、年の差や部活指導者と教え子という立場から言えない」とし、「犯行は年長者が若年者に行う不同意性交の典型的な事例」と指摘。「自己の性欲を優先し、自己中心的」と断じた。
矢内被告は法廷で罪を認め、示談金300万円を用意した。さらに矢内被告の母親や兄が証人となり、判決後は同居して矢内被告を監督すると約束。だが、裁判所は刑を軽くする事情には酌まなかった。被害者の母親は「娘が卒業するまで刑務所にいてほしい」と陳述していた。
保釈中だった矢内被告は恰幅の良い体を黒いスーツに身を包み、判決に耳を傾けていた。控訴審で刑が確定するかどうかが町民の関心事となる。教育者が16歳未満の教え子に性交して不同意性交罪が成立し、実刑を言い渡された県内初と言っていい事例だ。社会的影響は大きい。