本誌1月号に「北塩原村ラビスパ裏磐梯の跡地利用が白紙に」という記事を掲載した。北塩原村の健康増進温浴施設・ラビスパ裏磐梯は2024年1月末に閉鎖された。しかし、その根拠となる「温泉健康増進施設条例」の廃止がなかなか議会の承認を得られなかった。条例廃止案の否決や取り下げが計4回にわたってあった中、昨年9月にようやく条例廃止が承認され、施設廃止が正式決定した。
その後は跡地利用に焦点が移った。村は廃止に向けた動きと並行して利活用業者を公募し、喜多方市の産廃処分業・荒川産業が名乗りを上げていた。同社は同施設のプールを活用してサケの養殖施設を計画しており、村は議会に対して「荒川産業」とは明かさなかったものの、「喜多方市の事業者から養魚施設として活用したい旨の申し出があった」と情報共有していた。それが2024年7月のことで、当時の本誌取材に、荒川産業は「現時点では具体的なことは言えない」とコメントしていた。
それから1年余が経ち、昨年9月にようやく施設廃止が決まったが、その後、あらためて荒川産業と協議した結果、計画は白紙になったという。
前号記事ではその経緯を伝えたが、1月13日に開かれた村議会全員協議会で、正式に村から議会にその説明があった。
理由は前号で指摘した通り、施設を譲渡したい村と、無償貸与を希望する荒川産業で、話がまとまらなかったから。ともかく、こうして跡地利用は完全に白紙になった。
その後、村は新たな利活用業者の募集を行っている。1月16日に募集要項が公示され、そこには以下のように記されている。
《民間事業者が持つ事業ノウハウや資金を活用し、新たな起業の促進や雇用の創出、移住定住の促進、自由な発想をもとに、地域振興や地域活性化に役立てる事業計画を公募型プロポーザル方式により幅広く募集し、優先交渉権者を選定いたします》
施設の状況としては「プールゾーントラス構造天井の老朽化」、「機械設備の劣化」、「電気設備の要修繕」といった説明があり、各種修繕等は「事業者負担」であることが明記されている。
村によると、「応募がなかったり、譲渡に値する提案がなければ施設は解体することになる」という。
ある村民はこんな見解を示す。
「(老朽化が著しい)施設のあの状況で、自前で修繕して、固定資産税を負担してまで、跡地を使いたいというところは出てこないと思う。議会(全員協議会)では『1000万円くれるから、自前でやってくれといっても、利活用業者は出てこないと思う』といった指摘もあった。実際、その通りだと思う」
同施設はオープンから30年近くが経ち、建物や内部設備の老朽化が著しい。温泉健康施設として継続するとしたら、改修費用は10億円規模になると予想されていた。
一方で、前出の村民は、「ラビスパ裏磐梯は周辺散策路(トレッキングコース)の中継地点になっている。その辺も含めて村はどうするつもりなのか」とも話した。
この点について村に尋ねると、担当者は「その辺(周辺散策路の中継地点としての役割)も含めて今後検討したい」との見解を示した。
前述した利活用業者の募集期間は3月1日までとされている。ひとまずはその動向を見守るしかないが、関係者の話を聞く限り、「使いたい」というところが現れる可能性は高くないだろう。

























