本誌先月号に「し尿処理・浄化槽清掃事業者に訴えられた田村市 市長に背き調停を不成立にさせた滝田弁護士」という記事を掲載した。
田村市内のし尿処理収集運搬と浄化槽清掃を市から請け負った田村・片曽根特定事業共同企業体(本田平佐代表理事)が昨年12月、契約通りの委託料を払ってもらえないとして市を相手取り、未払い分2769万円の支払いを求める訴えを地裁郡山支部に起こした。訴訟の前には郡山簡易裁判所に調停を申し立て、解決の道を模索した(同11月に不成立)。
同企業体の主張は単純明快だ。契約期間は2023年4月1日から2026年3月31日までの3年間で、委託料は消費税込みで3億3924万円。1年当たりに換算すると1億1308万円。同企業体は「この契約通りの委託料を払ってほしい」と市に求めているだけだ。ちなみに本田代表は、自身が社長を務める三立設備で三春町のし尿処理収集運搬と浄化槽清掃を請け負っているが、同町は契約通りの委託料を払ってくれているという。
ところが田村市は、契約書には一切書かれていない人夫出しや日給払いの考え方を持ち出し「実働分しか払わない」などと言いだした。その結果、「契約通り払ってほしい」「いや、実働分しか払えない」という押し問答が2年も続いたため、同企業体がやむなく調停を申し立てた経緯がある。
実は、白石高司市長は穏便な解決を望み、市の顧問弁護士を務める滝田三良弁護士(郡山市)にもその旨を直接伝えていた。ところが、滝田弁護士は調停を不成立にさせ、訴訟に突入するという最悪の事態を招いた。その過程では、担当の市職員が事業者に高圧的な態度を取っていた疑いや、調停に偽造した可能性のある議事録(公文書)を証拠として提出していた疑いなども浮上した。
詳細は先月号の記事を参照していただきたいが、その中で筆者は「滝田弁護士が市からどういう相談を受け、どういうアドバイスをしていたかを探るため、市の情報公開制度に基づき、やりとりを記録した議事録を開示するよう市に求めている」と書いた。議事録を見れば、滝田弁護士がどういう理由付けをして白石市長の意向に背いたかが見えてくると考えたからだ。
ところが、1月29日付で市から届いたのは公文書不開示決定通知書だった。通知書には開示しない理由が次のように書かれていた。
《公にすることにより、訴訟に係る事務に関して、市の財産上の利益や当事者としての立場を不当に損なうおそれがあり、当該事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため》
通知書には不開示の根拠とする規定として「市情報公開条例第7条第6号イ」が挙げられていた。第7条第6号イはこうなっている。
《契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市、国、独立行政法人等、他の地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれがあるもの(は不開示とする)》
先月号で事業の窓口になっている市環境課は「係争中のためコメントできない」と述べ、白石市長も「法廷外で話すのは控えたい」と取材を断った。それと同様に、市は公文書も「係争中」を理由に開示を拒んだ格好だ。「係争中と言えば不都合な情報も隠し通せる」と言わんばかりの態度に思えてならない。
滝田弁護士の行為は、事業者に迷惑をかけただけでなく、市に適切なアドバイスをせず、不利益を被らせた可能性もある。今後判明する事実によっては、市は滝田弁護士を顧問弁護士から解任することも検討すべきである。

























