たかはし・けん 1967年3月生まれ。国士舘大卒。綜合警備保障㈱(現ALSOK㈱)常務執行役員(現任)などを歴任し、今年4月からALSOK福島㈱社長。5月に福島県警備業協会長に就任した。
――5月の総会で会長に選任されました。
「当協会は来年4月に法人化40周年を迎えます。重要な節目を控えた時期に会長職を任され、責任の重さを感じています。18歳で警備員のアルバイトに就いてから、40年以上この仕事に携わってきました。警備業自体が『何の資格もない仕事』と軽く見られた時代もありましたが、先輩方が検定制度などを整備し、地位向上に動いていただいたおかげで、社会的な認知度と必要性は高まっていると感じます。受け継いだバトンをさらに前へ進める覚悟で、業界の地位向上に努めていきます」
――協会では以前から適正料金の確保と労働災害防止の徹底を訴えてきました。現状は。
「適正料金確保の取り組みは確実に前進しています。本年1月には下請法に代わる中小受託取引適正化法(取適法)も施行され、委託代金の支払い遅延防止に加え、価格転嫁の要請があれば、必ず交渉のテーブルにつくことなどが盛り込まれました。昨年12月には改正建設業法で建設工事における交通誘導警備員の基準値も策定され、この1年で関連法整備が一気に進んだ感があります。協会として一律の集計はしていませんが、私が所属する会社では価格転嫁要請の約7割の同意が得られており、同業者も同様の状況だと聞いています。ただ、業会全体ではまだ道半ばなので、全事業者・全現場での適正料金確保に向けた歩みは止めません。昨年度の労働災害事故については、死亡や重傷などの重大事故は発生しておらず、会員各社の対策の成果が表れています」
――本年度の重点目標は。
「1点目は適正料金の確保と労働災害事故防止の徹底です。警備員の処遇改善経費や労働災害事故を減らすためにも適正料金の確保が不可欠であり、協会からも働きかけを続けます。2点目は教育事業の推進です。警備員検定の取得促進、特別講習、法改正セミナーの開催、eラーニングの活用などで警備員の資質の向上、レベルアップを図っていきます。3点目は地域安全のための社会貢献活動への積極的な参加です。通学路における子どもの見守り活動、身近な犯罪の防止のためのパトロール、各地域のイベントへの協力など、地域に根ざした活動を強化し、業界全体の信頼を底上げします」
――今後の抱負を。
「人手不足はどの業種にも共通する課題ですが、警備員の質の向上と魅力アップを進めつつ、AIやDXを取り入れた『アドバンスト・エッセンシャル・ワーカー化』を検討していきます。近年は、画像と音声で双方向にやり取りしながら、警備だけでなく、専門家の支援を受けながら簡易な設備対応を担うサービスも始まっています。警備の本質は人ですが、DXで一人当たりの付加価値を高めることで、人手の制約を超え、地域に必要とされ続ける業界へと押し上げていきたいです」

























