宇佐美登氏を覚えているだろうか。2017年、21年、25年といわき市長選に挑戦し落選した後、今年2月の衆院選でチームみらいから当選(東京26区で落選するも比例復活)したいわきゆかりの国会議員だ。衆院議員には、1993年に26歳で初当選している。久しぶりの国会だ。
宇佐美氏は、国会議員の立場でいわき市政の個別の対応について、担当省庁に見解を問うている。5月28日の衆院震災復興・原子力特別委員会では時折、旧敵の内田広之市長の施策に疑義を呈しながら、いわき市小名浜に建設が予定されているサッカースタジアムに付随する公共施設に防災上の懸念があることを指摘した。中継を見ると、「小名浜」や「植田」、「勿来」などの地名が頻繁に飛び出し、さながらいわき市議会を見ているようだった。
同委員会で、宇佐美氏が質問する番が来ると、まず、自身のルーツがいわき市にあり、大震災による津波で親類が多数亡くなったことを打ち明けた。
いわき市政に関する質問は、小名浜港周辺エリアで国交省の採択を受けて進められている基盤整備検討調査に関して。津波浸水想定エリアレベル2にもかかわらず、計画中のサッカースタジアム横に市が公民館や図書館などの公共施設を集めることを問題視した。
「国費を投入する大前提として、私は徹底した安全性の確保が重要だと考えているが、国交省に認識を聞きたい」
担当者は、「いわき市におきまして津波等の災害対策を適切に講じられた上で申請いただくことが重要であると考えている」と答えた。
同じように文科省には、「今の市長さんは文科省出身なので図書館行政とかに詳しいと思うんですけれども、なぜここに図書館かよく分からないんですが」と前置きをしたうえで、いわき市が図書館の設置を検討していることについての是非を聞いた。
担当者は「設置者である自治体で適切に検討していただきたいと考えている」と答弁。
次は子ども家庭庁、もう一度国交省、最後は内閣府と質問先を変え、国会でいわき市政をただした。
宇佐美氏と内田市長の因縁は深い。宇佐美氏は、市長選のたびに若者に人気のレジャー施設ラウンドワンと会員制大型量販店コストコの誘致を公約に挙げていた。当初、内田氏は前向きではなかったが、昨年の市長選では宇佐美氏に対抗するように「市内の企業と(誘致に向けて)調整を進めている」と発言し当選。市議会でも頻繁に進捗状況を尋ねられるようになり、市民が注目する公約になった。
宇佐美氏が衆院選に東京の選挙区から出た際には、地元マスコミの取材に、いわきを離れての出馬に冷ややかなコメントをしたが、当選するとSNSに「国の発展は、本市の発展にもつながります。 これからも本市へもご理解、ご支援をお願いします」と祝いのメッセージを投稿している。
内田市長も「本市へのご理解、ご支援」がこんな形で国会から届けられるとは思わなかっただろう。内田市長が上京する際には、いわきゆかりの国会議員として、宇佐美氏に面会するのかどうかが気になる。

























