
樋熊晃規(ひぐま・あきのり)
1988年2月生まれ。東京都出身。実家は蕎麦屋。都立新宿高校、中央大学後、2010年に新卒で三井住友銀行に入行。愛知県豊橋市の豊橋法人営業部や日比谷法人営業部を経て採用担当。○年に退職後に独立し、SNSで就職活動・転職支援や金融関連の情報を発信する傍ら、企業の人事コンサルティングや就活生向けのセミナーを行う。
この度、政経東北様にお声掛けいただき、2回に渡り「地方大学生の就活」について書かせていただきます。第一回は「地方大学生は就活でめちゃ苦戦する」というお話をさせていただきます。
私は「ぼくひぐま。〜おとなの学びや〜」というYouTubeチャンネル(登録者数30万人)を運営しています。主に私の前職である三井住友銀行の遠い記憶について金融系の発信をしております。数年前まではX(旧Twitter)にて「ただの元人事@裏垢」というアカウントを通じて就活の発信をしていました。銀行員時代にはリクルーターとして採用チームに加わり、毎年数百名の学生面接の対応をしていました。この面接官の経験やSNSで発信していた経験を踏まえて「地方大学生はなぜ就活で苦戦するのか?」という記事を書かせていただきます。
今回お伝えしたい内容は3点。「就活は最高のコスパ投資」「地方学生は就活前から負けている」「AI時代の就活攻略」です。
就活は最高のコスパ投資
まず就活生にお伝えしたいことは、「就職活動以上にリターンの大きい投資は世の中にほとんどない」ということです。就活そのものについて多くの学生は長くて約1年。中には半年くらいで終える学生もいます。そんな短期的な取り組みにも関わらず「就活」は本気で取り組むことで生涯年収が1億円前後変わる可能性があります。金額であれば生涯年収2億円前後の企業もあれば3億円すらも優に超える企業もあります。つまり、この半年〜1年程度の皆さんの行動次第で1億円を超えるリターンが望めるのが「就活」というものです。
私自身、金融業の仕事をしておりましたが数ヶ月から1年程度の短期投資で1億円以上の利益が発生する投資はこの世の中にほぼありません。しかも通常の投資と違って、大きな元手(お金)は必要なく、皆さんの行動そのものが投資するための元手になります。こんな素晴らしい投資機会は今後一生無いかもしれません。だからこそ皆さんには就活に本気で取り組んで欲しいと思います。
地方学生は就活前から負けている
次に地方大学生の就活について、大きな課題のお話をさせていただきます。私自身、過去に複数の地方国公立大学で就活講義をさせていただいた経験があります。その中で多くの地方学生に共通する課題として「情報格差」が大きいと感じました。
この情報というのは「就活テクニック」的なものではありません。こういった情報は今の時代、ネットを調べることでなんでも出てきますし、AIに問い掛ければ大体のことは返ってきます。
私の伝えたい「情報格差」というのは他大学、特に都心部にある就活に対して貪欲に行動する高学歴層との「コミュニケーション/繋がり」そのものを指します。
今まで数多くの学生を見てきた中で、就活が上手くいく。行きたい企業から内定をもらう学生というのは「良き情報交換相手」であり「良きライバル」であり、「良き指標」となる学生を身近に置いていました。特にライバルであり、指標となる学生というのは自分のレベルを大きく引き上げてくれる可能性があります。
例えば志望業界・企業が自分と全く同じ学生がおり、その学生がガクチカ(学生時代に力を入れたこと)はもちろん、志望動機の作り込み、面接対策まで自分以上にしっかり行っていたとします。その学生に連絡を取り、空いた時間に一緒に面接練習をすることで「最低限このレベルまでないとこの企業から内定がもらえないかも」と良い意味で危機感が生まれ、さらに自己分析や文章の作り込み、面接対策を行うかもしれません(むしろ〝しない学生〟は就活で淘汰されていきます)。
都市部の大学生はこういった情報交換やコミュニケーションを積極的に、大学関係なく就活イベントなどの繋がりでもどんどん作ります。もちろん同級生だけでなく時には先輩にも自分から連絡を取って会いに行きます。こういった行動が出来る地方学生は都市部に比べて著しく少ないように感じます。これは地方にはそういった行動力ある学生と接点を持つ機会が少なく、ふと周りを見渡すと自分と同じように〝ゆるく、のんびり〟とした就活を行っている学生が多いというのが原因だと思います。一方、都市部には〝ガツガツと貪欲に〟就活を行える学生が多く、否が応でも接点ができ、危機感を持つことになる。取り残されないように行動せざるを得なくなります。
周囲にいる人、置かれている環境で自分の成長や就活の結果も大きく変わります。数年前と異なり今はオンラインを通じて地域関係なく様々な人と気軽にコミュニケーション出来ます。身近な人ばかりに目を向けず、自分の成長のためにも「就活強者」のような人となるべく接点を持つようにして下さい。むしろ「コイツらを利用してやる」くらいの気持ちの人こそ就活が上手くいくはずです。
AI時代の就活攻略
最後に、令和の就活を成功させるために最も必要な要素の話をします。
結論、「アウトプット量」です。今の時代、AIが発達したことで年々ES(エントリーシート)による差別化が難しくなっています。その中で、現代就活で成功する学生の共通点として「とにかく面接の練習量をこなす」というものがあります。
前提として就活生のほとんどは「スゴいガクチカ」なんて持っていません。どんぐりの背比べであり、私自身も大したガクチカなどなく就活に臨んでいました。その中で就活が上手くいった要因を分析すると「とにかく面接練習をした」の一点に尽きます。実は多くの就活生はインプットと文章構成に異常なほど拘ります。ひたすら就活本を読み、自分のガクチカ、志望動機の作り込みに時間を費やします。
一方で自分が面接官をした経験上、学生の文章においては大して差を感じません。一部には「スゴいガクチカ」の学生もいますが、それも本当か嘘かすらもよく分かりません。むしろほとんどが嘘だと思っています。その中で最終的に勝率高く、就活が成功する学生というのは、〝面接の質〟そのものが非常に高いです。面接は「準備が99%」であり、大切なのは自分の話に対してどんなことを聞かれるか想像し、面接官の聞きたいことに対してハキハキ返す。当たり前のようですがこれが出来ない学生がほとんどです。
実際に私自身は自分の面接している姿を録画し、毎日見直しては内容や話し方を修正していました。時には友達に見てもらいながらとにかく面接の練習をしました。これは実際の企業面接ではなく、自宅で1人で壁に向かって話すといった練習も多く含まれます。
結局、面接というのは「自分を売り込むプレゼンテーション」であり、練習をしないと上手くなりません。最初から上手に話せる人なんて1人もいません。みんな準備と練習を繰り返して上手くなります。そして、冒頭お伝えしたように学生というのは、インプットと文章構成ばかりに時間を費やし「アウトプット=面接練習そのもの」は後回しにします。
ここにチャンスがあります。
過去に就活の支援をした学生の中にも、大したことないガクチカから大企業に受かった学生が数多くいました。この学生たちは「どうせ大したガクチカなんてないから、割り切って面接練習に全振りしよ」となった人ばかりでした。
就活成功のために、とにかくアウトプット量を増やして下さい。これが出来ない、やらない学生がほとんどなのでチャンスがあります。
以上になります。今回の記事は地方学生が就活で成功するための3つの要素を「動機付け」「課題」「解決策」に分けて書かせていただきました。次回の記事では就活だけではなく、キャリア全体の成功について書かせていただきます。

























