郡山市フェスタ建て替えで膨らむシネコン待望論

郡山市フェスタ建て替えで膨らむシネコン待望論

 郡山市日和田町の大型商業施設ショッピングモールフェスタの建て替えが進んでいる。老朽化に加え、度重なる大規模地震で被害を受けたためで、建物解体後、イオン系列の新たな商業施設として生まれ変わる。2026(令和8)年9月オープン予定だ。延べ床面積は約12万平方㍍で、イオンモール新利府(宮城県)に次ぐ東北最大規模のイオン系商業施設となる。

 具体的な計画は公表されていないが、郡山市内で期待されているのがシネマコンプレックス(通称・シネコン。複数のスクリーンを有する映画館)の進出だ。

 郡山市にはかつて10館以上の映画館が営業していたが、映画業界の衰退に伴い減少し、現在は郡山テアトル1館のみとなっている。同館は6スクリーンを備えているものの、上映される作品に限りがある。そのため、イオンシネマ福島(福島市)、フォーラム福島(同)、ポレポレシネマズいわき小名浜(いわき市)、まちポレいわき(同)まで足を伸ばす人もいるようで、「高校生の娘は、お目当ての映画を見るため、たびたび友達と電車で福島市に行っていますよ」(郡山市在住の男性)。

 そうした中、新たなイオン系商業施設がオープンするということもあって、シネコン進出に期待が高まっており、「若者の間では既成事実のようにウワサされている」(同)という。それだけシネコンを求める声が高いということだろう。

 実際のところ、シネコンが進出する可能性はあるのか。同施設の運営会社・㈱日和田ショッピングモールに確認したところ、「シネコンがほしいという要望を多くいただいているが、現時点では具体的なテナント構成などについてお話しできません」(担当者)と回答した。

 同市では、以前からシネコン開発構想が浮上するものの、頓挫してきた経緯がある。2021年の市長選では、元県議の勅使河原正之氏がシネコン誘致を公約に掲げたが落選。SNS上には残念がる声が並んだ。

 テアトル郡山を経営する東日本映画㈱の安達友社長は、興行の世界で長年生き残ってきただけあって、配給会社からの信頼が厚い。そのため、なかなか新規事業者では入り込めない事情もあるようだ。安達社長にシネコンについてコメントを求めると「取材には応じられないが、実現はかなり難しいのではないか」と述べた。

 県内で計画中の大型商業施設としては、伊達市でも「イオンモール北福島(仮)」が2024年以降オープン予定となっている。こちらは隣接する福島市中心部にイオンシネマ福島がある関係もあって、競合するシネコンは設けない方針が示されており、新たなスタイルの娯楽施設の整備が検討されている。イオンモールにあらためて確認したところ、「関係機関と調整中のためお答えできません」との返答だった。

 ある映画業界関係者は「以前某映画館の建設費が1館当たり1億2000万円と聞いたが、いまは建設費高騰でその倍以上かかるはず。費用対効果を考えて、いま新規でシネコン建設に踏み切る業者はなかなか現れないのではないか」と指摘する。

 一方で、別の映画業界関係者は次のように語る。

 「映画館空白地域に立地するイオンモールとなみ(富山県砺波市)は、もともとシネコンがない商業施設だったが、住民からの熱望を受け、リニューアルを機に、テナント跡を使ってコンパクトなシネコンを新設した。行政がシネコン誘致を後押しして実現した事例もある。郡山市、伊達市も市民の要望次第で風向きが変わるかもしれません」

 果たして郡山市にシネコンが進出する日は来るのか。

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