【福島県産業資源循環協会】佐藤俊彦会長インタビュー(2024年)

【福島県産業資源循環協会】佐藤俊彦会長インタビュー(2024年)

経歴

さとう・としひこ 1951年2月生まれ。佐藤産業㈱(須賀川市)取締役会長。2007年5月から県産業廃棄物協会長を務め、2019年4月から現職。

 ――以前から労働安全衛生に取り組んでいます。

 「この業界は、他業界に比べて労働災害が多くなってしまっています。2020年から『第2次労働災害防止計画』を定めて労働災害防止に努めており、全国産業資源循環連合会の指導で、2023年度から2027年度までは『第3次労働災害防止計画』として実施しています。その中で、休業4日以上の死傷者数を15人以下にするという目標を設定していますが、2023年の死傷者数は20人で、死者こそ出なかったものの、同計画で定めた目標値を上回ってしまいました。今後は、同計画に基づき、従業員だけでなく、トップの人にも問題意識を持ってもらおうと、先日、トップセミナーを開催したほか、各方部で安全衛生講習会を開催します。今後も、労働災害防止に向けて、会員企業はもちろん、非会員企業も含めて、しっかり取り組んでいきたいと考えています」

 ――県外から県内に土砂が運び込まれる事例が確認され、県、市町村が規制に乗り出していますが、そうした問題や不法投棄についてはどのように見ていますか。

 「ここ数年で見ますと、不法投棄の件数自体は横ばいですが、西郷村のケースのように規模が大きなものが見受けられます。われわれとしても、不法投棄がなくなることを願い、啓発活動などを行っているほか、猪苗代湖の清掃活動などを行っています。もっとも、猪苗代湖は不法投棄されたものを除去するというより、水草取りの方が多いのですが。いずれにしましても、啓発活動等を通して、不法投棄がなくなることを願っています」

 ――今年度の重点目標について。

 「今年度の重点目標は4つです。1つは、先ほど申しました労働安全衛生です。われわれの業界はどうしても『3K』をイメージされる業種で、働き手不足が顕著化しています。ですから、労働安全衛生の推進は大きな課題です。2つは、会員の処理技術等の向上、人材育成です。そのため講習会受講の補助金を出しており、レベルアップを図れればと考えています。3つは、福島県沖地震や昨年9月の台風13号などの災害の発生により、災害廃棄物が多数発生しています。その処理について、協力・支援をしていきます。4つは、低濃度PCB廃棄物の処理について、県の処理事業への協力・支援を行います。県からの要請で、法的に今年度から3カ年で処理しなければなりません。これを確実に実施していきます」

 ――今後の抱負。

 「これまで当協会では、産業廃棄物の適正処理はもとより、地域の環境保全活動に積極的に取り組んできました。引き続き、猪苗代湖の環境維持事業をはじめ、循環型社会、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に向けて、行政機関と連携しながら、会員が一丸となって取り組んでいきたいと思っています」

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