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【会津坂下町】古川庄平町長インタビュー【2024.4月】

ふるかわ・しょうへい 1953年生まれ。喜多方工業高(現喜多方桐桜高)卒。アルス古川㈱相談役。2000年から会津坂下町議を務め、2021年の町長選で初当選。現在1期目。
 

 ――新庁舎整備事業の進捗状況について。

 「昨年6月議会で、旧厚生病院跡地に建設位置を変更する議案を提出する予定でしたが、前段として5月に実施した地区懇談会での町民の皆様の意見をうかがう中、まだまだ議論が足りていないと痛感しました。そのため、昨年6月議会での議案提出は見送り、より幅広く町民の皆様の声を聞くとともに、新庁舎としての具体的な機能等も検討した上で、最終的な結論を出したいと考えました。昨年7月より若手職員による新庁舎機能の研究会を立ち上げ、具体的な機能の検討を進めているほか、9月には子育て世代を対象とした町民アンケートを実施し、これからの会津坂下町を担う世代の声を集めたり、各地区の老人クラブ等でも声を聞き、今後は障がい者団体や農業団体、商工団体など幅広いカテゴリーの方々の意見を集約し、新庁舎の建設に反映していく考えです」

 ――人口減少対策や少子化対策はどの自治体でも喫緊の課題です。

 「本町の人口は1960年をピークに減少の一途を辿っており、人口減少により地域経済の縮小や農業をはじめとする基幹産業の担い手不足のほか、地域コミュニティーの維持が困難となることが懸念されています。そのため、過疎対策事業として、交流人口対策、関係人口対策、定住人口対策、少子化対策の4つに取り組んできました。今後も様々な施策を展開しながら、移住・定住促進に取り組んでいきます」

 ――昨年5月より新型コロナウイルスの5類移行が実施されました。

 「コロナ禍による行動制限が解除され、イベント等の通常開催によって活気が戻りつつあります。イベントや物産については、コロナ禍の中でもアフターコロナを見据えてPR活動に注力してきた経緯もあり、そうした取り組みが上手くいっていると思います。

 また、これまで停滞していた経済活動が急速に動き出したことや、円安や海外情勢の変化により海外進出していた企業の国内回帰の傾向もあり、企業の動きが活発化していると感じます。町内既存企業でも受注が増え増築を検討しているという話も数件聞いています。この機会に企業誘致を推進するため、町工場誘致条例を改正し、実情に見合った要件に緩和する考えです。

 一方、経済活動の活性化に付随して人手不足が問題となっており、企業誘致と雇用の確保をバランスよく進めていかなければなりません。町と企業が連携し、本町を『働きたいまち』として環境整備をしていきたいと考えています」

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