会津若松市の副市長を務めていた目黒要一氏が任期途中にもかかわらず3月末で退任し、その理由についてウワサが流れている。総務部長出身で〝現場の最高責任者〟でもある副市長の不在は、就任4期目の後半を迎え、施策の総まとめの時期に入っている室井照平市長にとって大きな痛手となりそうだ。
トラブル続きの室井市政に大打撃

目黒氏の副市長退任が発表されたのは3月18日。任期は1期4年。2023年10月に就任し、来年9月まで任期が残っていたが退任する。理由は「一身上の都合」というものだ。
市総務課に確認したところ、副市長本人から辞職の申し出があり、市としてこれを受理したという。ただ、経緯や詳細については「個人に関わる話」として詳細な説明は避けた。
市役所内の事情に詳しい複数の人物によると、庁舎内では以前からある部署での〝ハラスメント〟が取りざたされていた。その中心人物として浮上したのが、目黒氏に近い立場の人物だったという。「そうした中で、真面目で責任感が強い目黒氏が自らも責任を取ったのではないかと囁かれています」(ある経済人)。
市人事課によると、庁舎内でハラスメントが発生した場合、当事者の聞き取りを行う。関係規程に基づき、ハラスメントが懲戒処分に当たるか、懲戒審査委員会で検討される。懲戒処分を受けた職員は原則公表されるが、報道するかどうかは記者クラブの各社の判断に委ねられる。
ハラスメントはどのような内容で、目黒氏が関わりがあったのか総務部に確認したが、「お答えできない」との回答だった。退職金は就任期間分に応じた金額が支払われたという。
副市長の役割は「現場の最高責任者」。施策について市長の許可をもらう前に事務的観点から最終チェックを担い、法令適合性などを確認する。目黒氏は実務に精通した行政マンで、室井市長からの信頼も厚かったとされる。それだけに、突然の退任が市政運営に与える影響は小さくない。報道では「後任を探す」とされていたが、4月下旬時点でも「後任はまだ決まっていない」(総務部担当者)とのこと。
市内のある経済人はこう語る。
「目黒氏の前任者の猪俣建二氏も任期途中で退任し、その前の斎藤勝氏も2期目の途中で退任しました。それぞれ退任理由は異なるようだが、〝現場の最高責任者〟がほぼ2年ごとに変更になっているわけで、これで現場統率・政策遂行機能は大丈夫なのか、心配になってしまいます」
課題山積の4期目
同市でとりわけ深刻なのは人口減少だ。会津若松市の人口は室井市長の1期目が始まった直後の2011年10月1日時点で12万5496人だったが、昨年10月1日時点で10万9493人まで減少した。
中心市街地の衰退に歯止めがかからず、建物老朽化や店舗減少が問題になっている。ICTオフィス「スマートシティAiCT(アイクト)」は企業誘致や視察需要につながっているが、期待されたほどの経済効果は見えにくい。企業誘致を進めるため、新たな工業団地の整備に乗り出しているが、さまざまな問題を指摘されており、今後、資材高騰に伴う建築費上昇でどこまで進出企業を確保できるかも不安視されている。
県立会津病院跡地に整備される複合施設は屋内遊び場を中心とした子育て支援の施設となる計画だが、公共施設と収益施設、一体型の公募型プロポーザル方式で事業者を募ったところ、二度にわたり不調となった。先行して公共施設の事業者を公募したところ、8社で構成されるグループが優先交渉権者に選ばれ、今年度にも着工する見通しだが、収益施設は関心を持つ事業者から聞き取りを行った段階で、いまも決定していない。市内の経済人からは「設定された条件が厳しすぎたのではないか」、「遅れた責任を誰も取っていない」との声が聞かれる。
このほか、職員による多額の公金横領、健康診断業務の契約手続きを怠り委託先からの請求を私費で払っていたケースなど不祥事が相次いで発覚し、「市役所内でガバナンスが機能していないからこうした問題が続くのではないか」と冷ややかに見る人も少なくない。
現在4期目の室井市長は来年2027年8月に任期満了となる。市内では早くも水面下で新人擁立を模索する動きが見られ、現職の動向が注目されている。そうした中で、いつまでも副市長の後釜が決まらず、混乱が続くようであれば、市長選に影響が及ぶことも考えられる。果たして本誌が書店に並ぶころ、副市長人事は決まっているだろうか。






















_建設が進むイオンモール郡山IMG_4704_eyecatch-520x305.jpg)


