たご・えいじ 1955年生まれ。いわき市出身。東京農業大学卒。2013年にいわき市森林組合長就任。2021年5月から現職。
――カーボンニュートラル実現に向けた連携協定締結の動きが広がっています。
「いわき市森林組合では、いわき市や民間企業など8者と連携し、カーボンニュートラルの実現に向けたJクレジットを活用した取り組みを行うための協定を結びました。私たちは、森林の二酸化炭素吸収能力に大きな期待が寄せられていることを理解しています。この連携協定の目的は、まさにこの森林の力を最大限に活かし、脱炭素社会の実現に貢献することです。現状として、福島県内には戦後植林されたスギなどの人工林が多く、その多くが伐採の適齢期である50〜70年を迎えています。この適齢期の木は、花粉発生の原因ともなっています。これらを計画的に伐採し、木材として安定供給するとともに、伐った跡地に花粉が少なく、成長が良いと言われるエリートツリーや、特定母樹などの改良された苗木を植林することで、より高い二酸化炭素吸収能力を持つ森へと更新していきます。現在、系統組合である田村森林組合において、大型製材工場を建設中であり、また、いわき市内の工業団地には、住友林業をメインとした大型製材工場『木環の杜』が建設中で、伐採した木材の受け皿が拡大しています。これにより、計画的な伐採と再造林のサイクルを確立し、木材生産と森林の健全化、そしてカーボンニュートラルの実現を目指します」
――メガソーラー建設による景観破壊の問題を、森林保全の立場からどう見ていますか。
「再エネが必要なことは理解していますが、山林に設置されたメガソーラー施設そのものが集中豪雨の際に災害の元凶になったり、反射光が市民生活に悪影響を及ぼすことがあってはならないと考えます。一方で、本来の林業経営が成り立つ状況であれば、太陽光発電や風力発電の用地として山林を売却したり賃貸することは少ないと考えますので、森林・林業の置かれている現状を、是非皆さんにも考えていただきたいと思います」
――現在取り組んでいる重点事業について。
「今まで主に針葉樹の人工林の活用に焦点を当ててきましたが、今後は天然林である広葉樹の活用も視野に入れ、地域の方々に森林と暮らしのつながりを理解してもらうための環境保全活動にも注力していきます。例えば、ウイスキーの樽材としてナラの木などの国産材を活用する取り組みも行われています。我々も、地元の木材を活かす取り組みを模索し、林業の活性化と森林の適切な管理を両立させていきたいと考えています」
――今後の抱負。
「森林管理には、多くの課題がありますが、木材利用の受け皿が整いつつある今、伐採と再造林を安定的かつ継続的に行い、未来に健全な森林を残していくことが私たちの使命です。それを通して、カーボンニュートラルをはじめとする社会の要請に応えていきたいと考えています」

























