【福島県電設業協会】大槻博太会長インタビュー【2025年】

【福島県電設業協会】大槻博太会長インタビュー【2025年】

経歴

おおつき・ひろた 大槻商事、大槻電設工業代表取締役。2017年5月に県電設業協会長に就任(5期目)。福島商工会議所副会頭、県建設産業団体連合会副会長を兼務。

 ――業界の「働き方改革」の現状と、現場での課題についてお聞かせください。

 「働き方改革の中でも、特に週休二日制や残業規制の導入は、深刻な人手不足と相まって非常に難しい問題を引き起こしています。現場では、職人不足が続いており、時期によっては事業者間での取り合いになっています。一方で、工期は物理的に決まっているため、残業で工程を詰めたいところですが、規制によりそれもできず、身動きが取れない状況です。我々としては人手不足でできないという物理的な状況を、県や市町村などの発注者側に訴えていますが、なかなかご理解いただけないのが実態です。最終的には、労基署に相談し、指導を仰いだ上で協議するしかありません。人手不足の深刻化に伴い、県公表単価や労務単価も高騰しており、経営的にも厳しい状況にあります」

 ――熟練技術者不足が課題の中で、若手技術者育成の現状について。

 「若手育成は急務ですが、今の若い世代は、我々の時代の『目で見て覚える』『本を読んで覚える』という方法では響きません。彼らが慣れ親しんでいるバーチャル的なもの、例えば漫画やYouTubeのような映像等ですぐ内容が入ってくるような教材が必要だと感じています。団体として協力し、作業手順や安全対策をバーチャル教材化することが今後の課題です」

 ――今年度の重点事業ついて。

 「DX推進の取り組みを強化しています。業務効率化と将来の維持管理時代を見据えたDXは、今年度の大きな柱です。すでに打ち合わせの議事録作成ではAIボイスレコーダーを導入し、ワンデーレスポンスで情報共有を実現するなど、効率化が進んでいる分野もあります。一方で、最大の問題は既存建物の改修工事に当たり過去の改修データがなくなってしまっているケースが非常に多いことです。そこで現在、県土木部などへ公共工事の電子納品データや、その後の改修データを一元管理するシステム構築を要望しています。これが実現すれば、次回工事の際に設計事務所が高額な費用と時間をかけて調査する必要がなくなり、精度の高い図面が速やかに作成できます。また、安全対策においては、ヒューマンエラーを防ぐため、インカムとカメラ(ヘルメット装着など)を活用し、本社から作業状況を確認する遠隔での安全管理も導入し始めています」

 ――今後の抱負。

 「働き方改革、人材育成、DX推進など、課題は山積しています。そんな中でも、お互いが協力し合い、AIやクラウドシステムといった新しい技術を積極的に取り入れながら、時代に即した建設のあり方を追求していくしかありません。この努力を通して、業界の苦しい現状を乗り越え、未来へとつなげていきたいと考えています」

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