しのき・ひろし 1951年生まれ。旧県立双葉経営伝習農場卒。葛尾村議、JA福島さくら代表理事復興対策本部長などを経て2016年10月の村長選で初当選。3期目。
――7月に野行行政区小出谷地区が「特定帰還居住区域」として国の認定を受けました。
「7月29日に閣議決定を経て認定をいただきました。今後は住民の方々の速やかな帰還に向けて除染やインフラ整備を重点的に進めていきます。住民の方々とは、意向調査などで帰還の意向をしっかり確認しながら進めてきた経緯があり、集落の再生に取り組んでいきます。村面積約8400㌶のうち約17%が帰還困難区域となっています」
――企業の動きも活発になっていますね。
「湯ノ平産業団地に立地する㈱HANERU葛尾が手掛けた陸上養殖のバナメイエビが6月に初出荷され、生で食べられる高品質なエビとして注目されています。ふるさと納税の返礼品として今後期待しています。社長は村外出身ながら消防団に入団し、地域行事に尽力し、県内外の少年野球チームを集めた大会『HANERUカップ』やフットサル大会を村内で開催しています。地域振興に積極的に取り組む姿勢には心から感謝しています。
村が出資する葛尾風力㈱の風力発電所は4月から5基が本格稼働しました。福島復興風力合同会社阿武隈風力発電所と合わせて、発電会社が県再エネ復興推進協議会を経由して村に20年間負担金を還元する仕組みがあります。振興策に活用できる貴重な自主財源になります。展望施設も整備され、稜線に並ぶ風車群は村の新たなランドマークになっています。2カ所の産業団地は、来年までには全区画の企業が操業する見込みです。データセンターの建設を予定しているIT関連企業『ORENDA WORLD』は福島大学などと連携し、人材育成に取り組む計画で、復興推進の核となる企業として期待しています」
――重点事業について。
「長年の念願だった県道50号浪江三春線の大改良工事に期待を寄せています。帰還困難区域を通るトンネル工事を含む延長5・5㌔の大規模プロジェクトで、開通すれば、南相馬市や浪江町と行き来しやすくなり、医療や買い物、災害時の交通が改善されることで企業誘致にもプラスになるはずです。掘削残土を野行地区の広大な農地整備に活用するなど、地域と連携して事業を進めています」
――今後の抱負を。
「震災から間もなく15年を迎えます。住民帰還率は約3割ですが、企業誘致等により村外から約170人が転入し、現在は約500人弱が暮らしています。復興が進む中で新旧住民の交流促進など役場内外でさまざまな課題が生まれていますが、職員はみな頑張っているので、一丸となって『安心・安全な村づくり』に取り組んでいきたいと思います」

























