【福島県私立幼稚園・認定こども園連合会】楠正興理事長インタビュー(2025年)

経歴

くすのき・まさおき 遠野町まこと幼稚園(いわき市)園長。1973年3月生まれ、いわき市出身、明星大学大学院卒。(一社)いわき市私立幼稚園協会理事長、(公社)福島県私立幼稚園・認定こども園連合会副理事長などを経て、今年6月から現職。

 ――新理事長に就任しました。

 「2013(平成25)年4月に公益社団法人へ移行し、今年で12年目となります。歴代の理事長方、特に震災とコロナ禍で子どもたちを守ることに尽力された平栗裕治元理事長、そして連合会運営のために会費の見直しや『未来への幸福ナビプロジェクト』を通じて幼児教育の重要性を発信された細谷實前理事長の思いと実績を今改めて実感しています。私自身も子育て中ということもあり、理事長という立場の重みを肌で感じている日々です」

 ――来年度から「こども誰でも通園制度」が全国で始まります。

 「自治体によって格差が生じる可能性があると考えています。大都市では子どもの数が多いため利用が見込めますが、福島県のように出生数が減少している地域では、利用者数が少なく、自治体にとって負担となる場合も考えられます。制度の成功には、市町村がこの制度をどのように利用してほしいかを保護者に伝えることが重要です。施設と自治体の連携が今まで以上に大切です」

 ――重点目標について。

 「重点目標は主に二つあります。一つ目は『教職員の質の向上』です。新任から中堅、主任クラスの教職員を対象とした研修会を積極的に実施しています。また、8月には会津若松市で私立幼稚園・認定こども園教員研修大会を開催し、約500人が参加しました。

 二つ目は『幼児教育の重要性の発信』です。5歳児までの教育環境が、その子が将来幸福な人生を送れるかどうかに影響を与えると言われ、その重要性は研究で裏付けられています。3カ年計画『未来への幸福ナビプロジェクト』では、保護者に幼児教育に対する正しい認識を獲得していただき、さらには教育に工夫を凝らした私立幼稚園・認定こども園への関心拡大と入園促進のため、SNSや新聞広告等を活用して幼児教育の重要性を広く県民のみなさまへ伝えてまいります」

 ――国や県に望むことは。

 「国には保育料無償化の基準額の引き上げを求めています。現在の月額2万5700円は、10年以上前の就園奨励費を基に算出されており、物価高騰に対応できていません。また、私学助成の充実も重要です。県には、公立との格差を埋めるためにも独自の子育て支援策を整備していただきたいです」

 ――今後の抱負。

 「子どもたち一人ひとりが幸せになるための基盤を築いていきたいです。そのためには、教職員の資質向上と待遇改善が必要です。私学助成の充実によって公立との待遇差を埋めることができれば、教職員の定着にもつながります。そして、広く県民のみなさまに幼児教育の重要性を知っていただき、優れた教育環境を用意した各園に一人でも多くのお子様が入園していただくことで、豊かな家庭を築くための礎を築いていきたいと願っています」

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