今度は矢吹町長選に立候補した小西彦次氏

今度は矢吹町長選に立候補した小西彦次氏

 任期満了に伴う矢吹町長選が昨年12月19日に告示され、無所属の現職で再選を目指す蛭田泰昭氏(65)と、無所属の新人で兵庫県伊丹市の会社役員小西彦治氏(52)が立候補した。

 同町長選に関しては無投票が濃厚とされていたが、直前になって小西氏が立候補を表明した。記事執筆時点(12月下旬)では選挙の結果は出ていないが、おそらく蛭田氏が順当に当選を果たしているだろう。

 というのも、小西氏はさまざまな市町村の首長選に立候補しては、ほとんど選挙活動を行わず、落選する行為を繰り返しているのだ。選挙・政治情報サイト「選挙ドットコム」によると、小西氏が昨年立候補した選挙は以下の通り。

 4月9日兵庫県議選
 得票数=2737票

 4月23日伊丹市議選(兵庫県)
 得票数=430票

 9月3日松阪市長選(三重県)
 得票数=7121票

 10月1日総社市長選(岡山県)
 得票数=2268票

 10月15日精華町長選(京都府)
 得票数=2380票

 10月29日時津町長選(長崎県)
 得票数=488票

 11月12日大熊町長選
 得票数=394票

 11月26日いなべ市長選(三重県)
 得票数=2336票

 いなべ市長選では得票率17・6%で、それなりの票を得ている。

 小西氏は兵庫県伊丹市出身、同市在住。神戸大大学院修了。伊丹市議2期。兵庫県議1期。トラブルメーカーとして有名で、ネット検索するとさまざまなところで問題を起こしてきた様子がうかがえる。

 何が目的でこれほど立候補を重ねているのか。ネットで囁かれているのは「狙いは公費負担ではないか」というものだ。

 2020年の公選法改正で、町村長・町村議選においても、知事選や県議選などと同様に選挙運動用自家用車の使用、ポスター・ビラの作成が公費負担の対象となった。

 例えば、ポスター印刷費用の公費負担は相場より高めに設定されており、選管が現物チェックを行うわけでもない。そのため、安く印刷できた場合でも申請次第で上限の金額を受け取れる。

 供託金没収点(有効投票数の10分の1)を上回れば供託金を支払わなくて済むばかりか、前記の費用が支払われることになる。普通に考えれば、知らない場所から立候補して票が集まるわけがないのだが、今回の矢吹町長選のように、無投票の公算が高いところに立候補すれば、対立候補の批判票の受け皿となるので、得票数が伸び、供託金没収点を超えやすくなる。

 大熊町長選では選挙ポスターを一通り掲示板に貼ると、そのまま兵庫県の自宅に戻り、インターネットでの情報発信すらなかったとされる。

 大熊町選管によると、ポスターやビラの印刷費用、選挙カー費用(借り上げ1日約1万6000円、運転手1日約1万2000円)など約63万円分の請求書が届いた。その後、ポスター・ビラの請求書は撤回したとのことだが、選挙カー関連費用約28万円は支払われたという。

 矢吹町の有権者数は約1万4000人。4年前の町長選の投票率は63・3%。仮に今回の投票率を60%とすると、供託金没収点は840票になる。現職・蛭田氏に関しては、1期4年間で離れていった支持者も少なくないため、「小西氏が現町政に対する批判票の受け皿になるのではないか」と見る向きもある。

 これまで県内で無投票になりそうな選挙に突如立候補する人物といえば郡山市在住の実業家髙橋翔氏だった(本誌2022年8月号参照)。だが、今後は小西を見かける機会も増えそうだ。

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