担い手減少の解消に向け食料安全保障の周知に努める
農林水産省によると、2024年度の日本の食料自給率は約38%で、ここ10年ほどは横ばいだ。
多くの品目を海外からの輸入に頼る日本だが、国際紛争や為替などの影響で食料価格は年々高騰。国内では人口減少が進むが、世界的には増加傾向で、今後も増え続ければ食料不足が全世界的な課題になる恐れもある。かと言って食料自給率を高めようにも、猛暑や頻発する災害、肥料や燃料など資材費の高騰、高齢化や後継者不足による農業者の減少――等々、日本の食は様々なリスクを抱えている。自給率がほぼ100%の米も買い占めと品薄により価格が高騰した「令和の米騒動」が起き、落ち着かない状況にある。
国内外で食料をめぐる情勢が変化する中、国は2022年9月以降、農政の基本理念や政策の方向性を示す「食料・農業・農村基本法」の見直しに着手。同改正法は2024年6月5日に公布・施行された。同改正法では「食料安全保障の抜本的な強化」「環境と調和のとれた産業への転換」「人口減少下における農業生産の維持・発展と農村の地域コミュニティの維持」の実現を目指し、関連する基本的施策を定めている。
翻って福島県内の農業はいま、どういう状況にあるのか。
県内の新規就農者は年々増えており、2022年からは年間300人を超え、2025年は過去最高の391人となった。農業産出額も増加傾向にあり、2015年は1973億円、2020年は2116億円、2024年は米価が上昇した影響もあり2874億円と震災前の2010年(2330億円)を上回った。
一方で県が昨年11月に発表した2025年農林業センサスによると、県内の基幹的農業従事者(普段の仕事として主に自営農業に従事している者)は3万7260人で前回(2020年)調査より1万4339人(27・8%)減少し、過去最少となった。新規就農者や農業産出額の増加は好材料だが、食料自給率が高まらない中、食料安全保障の観点からも担い手不足をどう解消するかは喫緊の課題だ。

こうした中、JAグループ福島では県、県農業振興公社、県農業会議とともに「福島県農業経営・就農支援センター」を福島市の県自治会館1階に開所し、農業経営の改善、法人化、経営継承、新規就農などの相談にワンストップで対応している。
また、キュウリやアスパラガス、トマトやかすみそうなど国産需要が見込まれる園芸品目の生産に地域を挙げて取り組む「ふくしま園芸ギガ団地」構想や、JAと生産部会が中心となり、就農希望者を呼び込み、農家での技術研修を行う「福島型トレーニングファーム」の整備など、農業者の所得向上やスキルアップに向けた支援を展開している。食料安全保障を確立するため、消費者理解の促進につながる事業やイベントも積極的に開催している。
担い手の減少をいかに食い止めるか。そのためには、多くの人に食の大切さと食料安全保障の重要性を知ってもらい、農業への関心を高めていく必要がある。JAグループ福島の取り組みは今後も続く。

























