森雅子参院議員(自民・福島県区)=4期=が国会で存在感を発揮している。まずは、刑事裁判の再審制度を見直す刑事訴訟法改正案を自民党内で審議する際に注目された。再審開始決定に対する検察抗告の余地を残すことに対し、「冤罪被害者の救済を阻む」と、弁護士で元法相の森氏らが激しく反発したのだ。法案には検察抗告の原則禁止が盛り込まれて衆院で可決し、参院でも可決の見込み(原稿執筆は6月26日時点)。
マスコミからインタビューを受ける機会が増えた森氏は、河北新報のインタビュー(5月26日付)で、「法務省案に激しく反発する姿を、ポーズや自己アピールと見た人もいるかもしれない」との質問にこう答えていた。
「かつて刑事弁護を担当した経験も踏まえ、検察抗告の禁止も証拠開示の拡大も以前からさまざまな場で主張してきた。今回に限ったことではない」
大阪地検トップだった元検事正が部下に対する準強制性交等罪で起訴された事件を巡っては、与野党国会議員で法務省や検察庁から独立した第三者による調査の実施を求める会を立ち上げ、記者会見した。
検察批判で世論の風を受けたが、検察絡みでは同じくらい問題を呼んだ対応もあった。2020年に内閣が検察庁法の解釈を覆し、東京高検検事長の定年を延長させた問題で、法相の森氏は「個別の人事に関する」との事実上の答弁拒否を繰り返し紛糾。さらに「東日本大震災の時にいわき市から、国民、市民が避難していない中で検察官が最初に逃げた」と法相の立場で言い切り、事実かどうかを問われると、結果的に発言を撤回した。
2023年に首相補佐官を務めていた時は、長女とその友人一行を首相官邸に招待して見学ツアーを行ったことを週刊文春に報じられ、「官邸の私物化」と批判された。これ以外にも何回か週刊誌の話題になっている。
自民党福島県連内では、「自分はあれだけ応援を受けているのに、他候補の応援になると他人事で熱心ではない」との評判があった。参院議員は、県全体が選挙区なので、党の助力なしには勝てない。応援に対して、恩義が少ないと受け取られていたということ。地元いわき市内では、距離を置くようになった支援者もいた。もっとも、最近ではそういった声を意識して選挙の応援にも頻繁に顔を出しているという。
いわき市内の森氏の支持者が擁護する。
「出世が早いことへのやっかみがあると思う。2007年に参院議員に初当選後、第2次安倍政権の時に少子化対策などの特命大臣に任命された。いわきが地盤の他のベテラン男性議員たちを差し置いてだったので反感を買った。それと、地元いわきでは人とのつながりがより密になるので、良い面も悪い面も目に付きやすいのではないか」
期数を重ね、県内国会議員の重鎮となる森氏は、中通り、会津地方に着々と支持基盤を広げる。
星野リゾートの社長とは交流が深く、森氏が主宰する若手向けの私塾「魔法学校」では、同社が磐梯町で運営するスキー場で合宿を行うことが恒例となっている。観光庁が実施している「国際競争力の高いスノーリゾート形成促進事業」という補助制度では、2023年度に会津若松市、磐梯町、北塩原村の「会津磐梯地域」が認定された。背後に森氏の尽力があったのではと噂されているほどだ。
検察改革を目指す発言で注目を浴びるが、それが物になるまでは評価は保留にしたい。

























