おしやま・としかづ 1949年生まれ。安達高、福島大行政社会学部卒。大玉村企画財政課長、総務課長、教育長などを歴任。2013年の村長選で初当選。現在3期目。
――15歳未満の人口比率が県内1位です。
「3月31日現在の年少人口は1303人と全村民の14・8%を占めます。令和4年度の本村の転入者は304人、転出者は284人で、子どもがいる家庭が多く転入していることが要因と思われます。コロナ禍等で全国的に出生率が低下する中、年少人口が高い水準にあるのは嬉しい限りです」
――子育て支援等を目的とした複合施設の建設を計画しています。
「老朽化した大山公民館の建て替えも兼ねて、子育て支援機能を持つ施設を計画しています。建物には村内の木材を使用し、完成は令和7年度の予定です。子育て支援機能として親子で遊べるスペース、公民館機能として調理室や会議室、子どもからお年寄りまで利用できる機能として図書室やカフェスペースを備えます。また、入口のオープンスペースにはマチュピチュ遺跡をイメージした階段を設け、シンボルにしたいと考えています」
――昨年設立された農業振興公社について。
「理事長に副村長が就き、昨年12月にはJAふくしま未来が参画するなど今年から本格的に稼働します。農林業と畜産に関する事業を基本に村の堆肥センターの業務も指定管理としました。
地元農家の期待も大きく、耕作放棄地の問題やドローン等の技術活用にも注力する予定ですが、農業を取り巻く課題は多岐に渡るのでしっかりと取り組んでほしいと思います」
――テレビの人気番組「ザ!鉄腕!DASH!!」のロケ地になっています。
「村でも全面協力していますが、村の名前を大きく出していただき嬉しく思っています。反響も非常に大きく、番組を見て若者が農業に興味を持ったり、移住者やふるさと納税の増加につながればありがたいですね」
――(仮称)大玉スマートICの整備に向けた取り組みについて。
「2年前から検討のための勉強会を開いており、今年度前半には国に対して設置要望する予定です。併せて、現在休止中の高速バスストップの復活も目指します。これらの事業が順調に進めば、高速交通へのアクセス性向上に大きくつながるものと期待しています」
――今後の抱負。
「村内は農地の大半が農業振興地域のため企業誘致が難しく、約50年前から様々な人口増加策を講じてきました。人口は国全体で見れば減っており、本村だけがいつまでも増えることはないでしょう。そうした状況の中で、『大玉村に住みたい』、村民には『大玉村に住んで良かった』と感じていただけるような村づくりを今後も進めていきたいと思います」
掲載号:政経東北【2023年5月号】