品川・郡山市長に「4期目説」浮上の背景

品川・郡山市長に「4期目説」浮上の背景

 最近、郡山の経済人や議員に会うと市長選の話題になることが多い。

 現職・品川萬里氏(79)の任期は来年4月26日まで。市長選まで残り9カ月を切る中、「商都」の次のリーダーが誰になるのかは地元政財界の大きな関心事になっている。

 今年、市長選が公の場で話題になったのは4月25日に開かれた品川氏の月例会見が最初だった。「市長として残り1年、次の市長選に出馬する意思はおありなんでしょうか」と記者が質問すると、品川氏は次のように答えた。

 「私はその日その日のベストを尽くすことを個人的信条としており、市長としての役割もそういうことが期待されているんだと思います。任期のことは知っていますが、今どうするかということについてはまだ私の視野に入っていません」

 これより少し前、市内では「品川氏は今期限りで引退するらしい」という話が伝わっていた。

 「春先、品川氏が後援会の最高幹部に『市長選は出ない』と伝え、その話が一気に広まった。真実は定かでないが、今年12月には80歳になるし、3期務めたので退くタイミングとしては自然だと思う」(市内の会社社長)

 ところが、そんな春先のムードが5、6月になると「4期目もありそうだ」との空気に変わった。

 「品川氏はあちこちのイベントや会合に顔を出しては『市政に何か要望はありませんか』と熱心に聞いて回っている。今期で辞めるなら、そんなことする必要はない」(同)

 品川氏に「4期目説」が囁かれる背景には、有力な対抗馬が見当たらないことも関係している。

 前回の市長選(2021年4月18日)は品川氏のほか、元県議の勅使河原正之氏、元市議の川前光徳氏が立候補。品川氏が三つ巴の争いを制したが(結果は別掲)、勅使河原氏と川前氏の得票数を合わせると品川氏を1万8800票も上回ったことから「品川氏は勝ったけど、市民の信任を得たとは言い難い」との意見が多く聞かれた。

◎2021年4月18日投票

4万3944品川 萬里76無現
4万0907勅使河原正之69無新
2万1850川前 光徳54無新
投票率40.66% ※年齢は当時


 一方で、敗れた勅使河原氏と川前氏についても、次の市長選を目指して活動を再開させると「新鮮味に欠ける」という声が浮上。そうした中で「この二人が再び出るなら品川氏との三つ巴になっても結果は変わらないのではないか」と、3期で引退するつもりだった品川氏が「もう1期やれるかもしれない」と色気を出すきっかけになったのではないかというのだ。

 しかし「相手を見て立候補するか引退するかを決めるのはおかしい」と指摘するのはある議員だ。

 「市政には新たな課題が次々と出てくる。そうした課題に対し『私にはまだまだやることがある』と言い出したらキリがない。限られた任期の中で自分のやるべきことをやり、それが片付いたら新たな課題の解決は後任に委ねる。これが市長の営みだと思います」

 この議員いわく、今の品川氏は継続して取り組む大型事業や施策がなく、市制施行100周年事業も今年中に終わり、原発事故・災害・コロナのような引き続き陣頭指揮を執らなければならない有事下でもないため「4期目を目指す大義名分が見当たらない」という。

 品川氏が進退を明らかにするのは過去の例から12月定例会とみられるが、全国の地方都市で起きているような魅力的な若手人材の出現があれば、市長選の風向きは4年前までと一変するに違いない。

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