相馬市石上にある「鹿嶋神社」のモチノキが伐採されたとの投書が寄せられた。伐採したのは相馬地方森林組合で、組合長の責任を問う内容になっているが……。
相馬森林組合の内部抗争の延長か

投書は10月上旬に届いた。そこには相馬市石上にある「鹿嶋神社」のモチノキが無断伐採されたこと、それを行ったのは相馬地方森林組合であることが記されていた。そのほか、「森林法では伐採するときは届出をしなければならないが、きちんとしたのか」「組合長は説明責任を果たして、誠意ある対応をすべき」「責任を取って辞めるべき」ということも綴られていた。
同神社については相馬市観光協会のホームページの「観光ガイド」にも掲載されており、以下のように紹介されている。
鹿嶋神社は常陸國鹿島大神宮の御分霊社にして、坂上田村麿呂蝦夷征討の折延暦20年(801)國土安泰と勝利を祈願し、東北開発賊徒平定に当たらしめ鎮撫の神として、現在地にこられたと伝えられています。参道には、柚子の木がたくさんあり、例祭は3月最終の日曜日で、児童御発興祭(子供神神輿行列)・児童奉納手踊りがとり行われます。12年に一度辰年に遷宮祭を挙行しその折、勅奉社の鹿島本宅の宮司が来社し奉幣を常とします。
それだけでなく、モチノキの紹介文も掲載されていた。
推定樹齢300年 この木にまつわる伝承は、藤橋紀伊守平胤泰嫡子が病に侵されたとき鹿嶋神社に祈願し、たちまち完治した礼代としてモチの木を植樹したと伝えられています。
それだけ由緒あるものなら、本当に無断伐採されたとすれば、もっと騒ぎになりそうなものだが……。そんなことを思いながら現地を訪ねたが、伐採された痕などは確認できなかった。神社は宮司が常駐しているわけではないようで、社務所などもなかった。
相馬地方森林組合に確認すると、多田穣治組合長が取材に応じた。
「神社の敷地内に墓地があり、その一部にモチノキの枝がかかっているから、墓地利用者から宮司さんに何とかしてほしいといった依頼があったそうです。それで、宮司さんから組合に依頼があったわけですが、言わば枝の剪定作業であり、組合ではそういったことは専門外のため、造園会社に下請けに出した形になります。その中で問題なく実施されたと聞いています。剪定作業ですから、届出なども必要がありません。正直、(投書の指摘は)よく分からない内容ですね」

多田組合長によると、伐採したのではなく、神社(宮司)から依頼を受けて剪定をしただけというのだ。前述したように、同神社のモチノキは由緒あるもので、それが伐採されたらもっと騒ぎになってもおかしくないと思っていたが、真相はそういうことだった。
森林組合内部の問題か
一方で、本誌昨年4月号に「職員退職続出、事務所移転問題、役員改選間近…… 相馬地方森林組合で不穏な動き」という記事を掲載した。
きっかけはその数カ月前に、「同組合で職員の退職が相次いだ」との情報が寄せられたこと。取材を進めると、職員退職が相次いだのは間違いなかったが、退職した職員でそれぞれ事情が違っており、「内部体制に問題があるから職員退職が相次いだ」と断定できるような理由には辿り着けなかった。
一方で、その取材をきっかけに、それ以外にもさまざまな情報が寄せられるようになった。ただ、その大部分は内容の薄いもので、「組合長は、組合業務を全然理解していないし、職員のことも考えていない」という具合に、ひたすら組合長の責任を問うような内容のメール・投書などが届くようになっただけ。
同組合は今年5月に役員改選があったが、その直前にも蒸し返しのような投書が寄せられた。要するに、内部、関係者にいまの体制をよく思っていない人がいるということだ。今回の件も、「組合長は説明責任を果たして、誠意ある対応をすべき」「責任を取って辞めるべき」ということが綴られていたことから、その延長線上の話である可能性が高いと判断した。

























