ひるた・やすあき 1958年生まれ。早稲田大政経学部卒。全国酪農業協同組合連合会常務理事などを歴任。2019年12月の矢吹町長選で初当選。2期目。
健全財政とインフラ整備を両立
――実証運行中のAIオンデマンドバス「のるーと矢吹」の現状と見通しについてうかがいます。
「自宅前から目的地までを直接結ぶ交通インフラです。キャッチフレーズは『行きたいときに、行きたい場所へ』、運行区域は町内全域で、免許を返納した高齢者の皆様、移動手段が限られる子どもたちの新たな足となっています。AIが予約状況に合わせて最適ルートを瞬時に計算する効率的な乗り合い方式を採用しました。現在は要望の多い土日・祝祭日の運行、早朝・夕方の時間延長について、令和8年度の実施に向け検討を加速させています。利便性をさらに高め、誰もが自由に移動できる環境を整えます」
――公共施設の老朽化が全国の自治体で問題になっていますが、矢吹町ではどのように進めていく考えでしょうか。
「昭和40年代に整備された学校や橋梁、上下水道施設が全国的に更新時期を迎えていますが、すべてを一気に直す財政的余力はどこもありません。そのため財政の健全化とインフラ整備を『車の両輪』と捉え、三つの柱で舵取りしていきます。
一つ目は、壊れる前に直す『予防保全』による施設の長寿命化です。
二つ目は、複合施設KOKOTTO(ココット)のように、人口規模に適した施設の複合化・集約化です。
三つ目は、将来世代に負担を残さないための行財政改革です。使用料・手数料等の見直しによる適正化やネーミングライツ等による新たな歳入の確保、さらには町民サービスを維持向上しながら知恵と工夫により歳出の抑制に努めるなど、真に必要なサービスを安定して提供するための構造転換を行っています。行財政改革を断行し、次の時代への投資に資する事業に積極的に取り組んでいきます。
改革の過程では、町民との『対話』を最重視します。先日の町政懇談会では私も直接回答し、建設的な議論ができました。現場の声を丁寧に聞き、町民の皆様の活動が停滞しないよう見極めながら、成長と持続可能なまちづくりを進めます」
――新年度取り組んでいく重点事業について教えてください。
「国の『阿武隈川緊急治水対策プロジェクト』による遊水地整備は、命を守る最優先事業です。整備後の土地利活用が鍵となるため、地域振興策を国・県と協議していきます。
子育て支援では、小学校給食費の完全無償化に加え、中学校についても町独自の半額補助を継続します。食材費高騰分も町が負担し、保護者の負担軽減に努めます。
産業面では『農業版企業誘致』が成果を上げ、16㌶の遊休農地が解消されました」
――国・県への要望と、今後の抱負をお願いいたします。
「県には、福島空港へのアクセス向上などに向けた『あぶくま高原道路の無料化』を強く要望します。国には、遊水地内の土地利活用の情報や支援策の早期提示を求めます。
町民と対話を重ねながら、健全な財政と住民の安全、どちらも妥協せず、次世代に選ばれる、高齢世代にも優しい矢吹町を目指して邁進する所存です」

























