こばやし・いさお 1963年2月生まれ。国士舘大法学部卒。柳津町議員、柳津町議会副議長などを歴任。2019年6月の町長選で初当選。現在2期目。
――「私が創る柳津町ミライプロジェクト」では2件の事業が採用されました。
「本事業は町民のアイデア・企画を自ら実施し、まちづくりに参画していただくことで複雑化する行政課題の解決につなげることが大きな目的です。
まず『西山地区ライトアップ事業』については、柳津観光協会主催による同地区の桜のライトアップ事業が交流人口創出の成果を挙げたことを踏まえ、今年秋から冬にかけ同地区の美しい風景を、伝統行事などと融合しながらライトアップすることにより地域振興を図ります。
次に『砂子原温泉蒸しムシ事業』については、同地区で管理している砂子田温泉の熱を利用しカブトムシの養殖を行うことで温泉熱利用の可能性を周知・事業開発を促しながら、先人が継承してきた同温泉を後世まで守り続け地域活性化につなげます」
――基幹産業である観光業の現況とアフターコロナに向けた施策について。
「JR只見線の人気も相まって、令和5年度観光入込客数は前年度比1万3708人増の76万4889人で、コロナ禍前2019年度の85・8%まで回復しています。一方、町内観光業では依然として経営状況が厳しいことから昨年度は1泊につき2000円の商品券贈呈事業を展開するなど、宿泊客の誘客と町内での消費拡大を図りました。アフターコロナに関しては、『赤べこ伝説発祥の町』をPRし、福満虚空蔵菩薩圓藏寺などの歴史文化的資源、越後三山只見国定公園に編入された自然的資源、豊富な温泉資源などの魅力を積極的に発信し、さらなる誘客拡大に努めます」
――今年度の重点事業について。
「まず、今年3月に国から認定を受けた『歴史的風致維持向上計画策定事業』です。支援制度を利用して、奥之院弁天堂等町内の貴重な歴史的建造物や七日堂裸詣りなど各地区の伝統行事を後世に継承しながら、町内に賑わいを創出し、歩いて楽しめる観光まちづくりを目指します。次に、4月にリニューアルした会津柳津駅舎情報発信交流施設(愛称『あいべこ』)の整備です。施設内には赤べこ工房をはじめ、カフェ、観光案内窓口を設置し、JR只見線沿線地域や奥会津の魅力を発信する拠点としての役割を担うなど県内外から注目を集めています。また、今年度観光庁より採択された『地域・日本の新たなレガシー形成事業』では、雪国・奥会津独自の保存食文化を核に、本町独自の『食の知』を体感できる集落ガストロノミーツーリズム構想に基づき、伝統食文化の持続可能性を高めながら地域再生に取り組んでいきます」