そうだ・まさゆき 1951生まれ。日本大学工学部卒。2007年から鮫川村議を5期務め、23年4月から同年8月まで議長。同年8月の村長選で初当選を果たす。
──1期目の任期が折り返しを迎えますが、これまでを振り返って。
「この間、力を入れてきたのは定住対策です。具体的には、地域の資源、例えば温泉や美しい景観などを活用し、村の魅力を高めることで、外部からの観光客や交流人口を増やし、地域経済の活性化を図る取り組みです。また、役場庁内では訪れる人々への挨拶を徹底し、職員の意識改革に努めています。さらには、地元商店街と連携し、新商品の開発にも力を入れ、地域全体の活性化を促しています」
――昨年12月には、持続可能な社会を実現するために環境省が設けた「第12回グッドライフアワード」において県内自治体で初となる環境大臣賞(自治体部門)を受賞しました。
「グッドライフアワードは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを評価するものです。村では高齢者が主体となって豆を栽培し、それを村が買い取ることで高齢者の生きがいづくりと健康増進、耕作放棄地の解消を目指しています。また、村内畜産農家から出た堆肥を農家に配布し、それを使って農作物を生産する循環型農業を推進しています。これらの取り組みが評価され、今回の受賞に至りました。これを励みに、今後も環境に優しい村づくりを推進するほか、子どもたちに安全な食を提供するための有機野菜栽培にも力を入れていきたいと思っています」
――鮫川村公立学校等複合施設整備事業の概要についてうかがいます。
「義務教育学校を中心とした複合施設整備を計画しています。この施設は、小中一貫教育だけでなく、不登校の子どもたちを受け入れる多様な教育ニーズに応えることを目指しています。また、高齢者支援の施設も併設し、地域住民全体の福祉向上を図ります。まだまだ協議すべき点はありますが、この施設が地域コミュニティーの核となり、住民一人ひとりが輝ける場所になることを願っています」
――今後の重点事業について。
「地域資源を生かした観光振興、食づくり、保育園留学など関係人口の創出により定住人口の維持・拡充を図っていきます。また、農業や畜産業の振興を図り、特産品開発にも力を入れ、地域経済の活性化を目指します。教育、食、景観、そして地域に根ざした産業の振興を通じ、他地域の模範となるような村づくりを目指していきます」
――今後の抱負。
「村長就任以降、地域資源の活用、環境に優しい村づくり、教育と福祉の向上に重点を置いてきました。これらの取り組みを通して、持続可能で魅力的な地域にすることを目指していきます」