【郡山総合体育館】トップリーグ参戦チーム優先使用に不満の声

【郡山総合体育館】トップリーグ参戦チーム優先使用に不満の声

 今年4月にリニューアルされた郡山総合体育館は、郡山市所有の体育館で命名権導入によって「宝来屋 ボンズアリーナ」の愛称になった。この愛称からも分かるように、Bリーグ「福島ファイヤーボンズ」の本拠地として使われるほか、SVリーグ「デンソーエアリービーズ」のホームゲームも開催される。バスケットボールとバレーボールのトップリーグに参戦する両チームの本拠地として、観客席が5000席以上に増設されたほか、大型ビジョンも設置されるなど、グレードアップした同施設。だが、それによって〝締め出し〟にあった人から不満が出ているという。

市の見解は「大会開催等は支障なし」

 Bリーグ、SVリーグとも秋(主に10月上旬)に開幕し、翌年春までリーグ戦が続く。最終的なシーズンチャンピオンを決めるポストシーズンまで勝ち残ると、5月ごろまでシーズンが続く。これに伴い、ボンズアリーナでは10月から翌年5月ごろまでの土日は、ファイヤーボンズとエアリービーズの試合が優先的に組まれることになる。

 これに市内の体育競技団体の関係者などからは、「大会や練習のために使用を申し込んだが、秋から春にかけての土日はトップチームの試合で埋まっていた」、「郡山市の体育館なのに、市民(市内の競技団体)が使えないのは納得いかない」といった不満が出ているのだという。本誌にも匿名でそうした声が寄せられている。

 筆者は同市を本拠地とするトップチームを応援している立場だが、いままで使えていたものが使えず、〝締め出し〟にあったとなれば、そういった不満が出るのも当然と言える。

 市スポーツ振興課によると、「こちらにもそうした声は届いている」という。そのうえで、次のように説明した。

 「シーズン中は、ファイヤーボンズ、エアリービーズの試合が優先されますが、シーズンオフはいままで通り使えます。例えば、中体連(中学校)、高体連(高校)の大会等はこの時期(本誌取材時の7月上旬)に実施されますが、いまはシーズンオフなのでそれら大会の開催には支障はありません。(トップリーグが開幕する)秋以降については調整しており、少なくとも従来開催していた大会は問題なくできるようにします」

 Bリーグ、SVリーグとも、おおむねホームゲームとビジターゲームが交互に行われるような日程になっており、今週末はホームゲームで、翌週末はビジターゲームといった形になる。それが2チームあると、今週はファイヤーボンズ、翌週はエアリービーズというように、両チームが交互にホームゲームを開催するような格好。結果、シーズン開幕後の土日は、他者はボンズアリーナを使えないということになる。

 もっとも、エアリービーズは福島市などでもホームゲームを開催する。同チームのホームページに掲載されたスケジュールを見ると、10月11、12日の開幕戦はボンズアリーナ、翌週の18、19日は敵地でのビジターゲーム、25、26日は福島市のトヨタクラウンアリーナでのホームゲームというように、ボンズアリーナ以外でのホームゲームがいくつかある。

 つまり、ファイヤーボンズ、エアリービーズともに敵地、あるいはファイヤーボンズは敵地、エアリービーズはボンズアリーナ以外でのホームゲームという週も出てくる。

 その辺を踏まえながら調整し、「少なくとも従来開催していた大会は問題なくできるようにする」というのが市スポーツ振興課の見解。もっとも、改修終了と同時にBリーグ、SVリーグともにシーズンオフに入ったので、本格的な利用はこの秋からになる。それに伴う調整作業は市としても初年度になるため、至らない部分もあるかもしれない。

代替施設は?

 一方で、市が言うように「従来開催していた大会は問題なくできるようにする」としたら、実際に〝締め出し〟にあうのはどんな人たちか。想定されるのは、サークル・愛好会などでの利用だという。

 代替施設としては、郡山市西部体育館、西部第二体育館、郡山カルチャーパーク内のアリーナ(カルチャーセンター)などが考えられる。いずれもボンズアリーナからは少し離れているが、サークル・愛好会での利用とすると、中高生などと違い移動手段はあるだろうから、支障はないのではないか。

 ただ、市スポーツ振興課によると「そういった方々の利用となると、どうしても平日の夕方以降、土日になり、それらの時間帯はほかの施設も利用が重なる可能性があります。ただ、市としては何とか(活動の場を)見つけていただくしかないというか……」とのこと。

 「市民がスポーツに親しむ場や、生涯学習等の場が損なわれるのは避けなければなりません。ただ、どうしても(トップチームの試合が優先され)物理的に使用できない日も出てきます。これは難しい問題ですが、トップチームの試合を気軽に見に行けるようになることで、メリットと感じる部分の方が大きいと思ってもらえるようにしていきたい」(市スポーツ振興課)

 今回の件を取材して、あることを思い出した。

 2006年に富岡高校の学科改編が行われ、普通科を廃止し、スポーツ科が設置された。Jヴィレッジ内に設置されたJFAアカデミー福島と連携し、世界で通用するようなサッカー選手の育成などが狙い。サッカー以外でもバドミントンやゴルフでのトップ選手育成を目指した。富岡高校は原発事故を受け、休校となり、道半ばでこの構想は途絶えたが、当時は「よそから有望な人を集めてトップ選手を育成するのは結構なことだが、それにより地元中学生の選択肢が狭まった」との不満も出た。

 今回の郡山市の問題と次元は違うが本質は似たようなもの。新たな取り組みを始めると、どうしても不満も出てくる。郡山市の問題に関して言うと、トップチームの認知度が高まっていけば、そういった不満も徐々に解消されていくのだろう。

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