会津ロイヤルプラザ跡地で進む高層マンション建設計画の行方

会津若松市の中心市街地を走る野口英世青春通り沿いに、約1200坪の更地がある。かつてこの場所にはゲームセンターやカラオケ、ボーリング場などが入居する商業施設「会津ロイヤルプラザ」があった。

中合会津店(2010年に閉店)に隣接し、にぎわっていたが老朽化により閉館・解体。その後、タカラレーベン(東京都千代田区丸の内、秋澤昭一社長)が高層マンション「レーベン会津若松中町(仮称)」を建設する計画が進行している。

だが、着工予定を過ぎても工事が始まらなかったため、計画自体が頓挫したのではないか、との見方が広まっている。

もともと跡地周辺は国登録有形文化財・福西本店や、野口英世が医学を志すきっかけになった旧会陽医院を改装したカフェ・会津壹番館など、歴史的建造物が点在する地域。野口英世が青春時代を過ごしたエリアであることから、「野口英世青春通り」と名付けられ、歴史的景観を生かしたまちづくりが進められている。

そうした事情もあり、地元住民からは新たに高層マンションが建つことに懸念を示す声が上がっている。昨年6月には地元のまちづくり団体や商店街、町内会などが市に「歴史的な景観と調和した開発が進むように求める請願書」を提出。階数を低くし、観光地に適した外観にするよう要望した。このほか、観光施設の整備を求めたり、冬季の日影による道路凍結を懸念する声も聞かれる。

同社はこうした住民の反応を受けて計画を変更。当初計画では鉄筋コンクリート造13階建て96戸の予定だったが、地上11階建て79戸に規模縮小。さらに駐車場カーポート設置を取りやめ、通り沿いに公共スペースを設ける方針を示している。

それでも反対の声は根強く、一部住民は日照権の問題を指摘しているという。そのため今後の動向が注視されていたが、着工予定だった今年4月1日を過ぎても動きがなく、6月中旬現在、跡地は雑草が生い茂っている状態だった。

野口英世青春通り町並み協定会の佐原功一会長(紀州園=佐原商事社長)はこのように嘆く。

「タカラレーベンに何度か住民側との話し合いを提案しており、これまではすぐ返事が来ていたが、しばらく連絡が途絶えています。昨年市に請願書を提出しましたが、法的に問題があるわけではないので、市としても動きようがなく、現在は時間だけが経過している状況です」

マンション計画はどうなったのか。同社に取材を申し込んだところ、同社の親会社であるMIRARTH(ミラース)ホールディングスの広報担当者が次のように回答した。

「(前述した)計画変更に伴う確認申請や近年の建築費高騰、中東情勢の影響による資材価格の上昇などの影響で施工者との協議に時間がかかったが、7月1日の着工に向けて最終調整を進めています」

どうやら計画は頓挫したわけではないようだ。

同社は前出の計画変更に加え、野口英世青春通りから建物を約30㍍後退させて配置するなど、景観に配慮していることを強調したうえで、「本計画地は商業地域に位置し、法的には日影規制の対象外ですが、都市計画および建築基準法を遵守した設計計画を行っています。日照への影響懸念については個別に対応させていただく所存です」とコメントした。

かつて街のにぎわいの中心部にあった場所に建設される高層マンションは、地域との共存を実現できるのか。今後の工事の進捗と住民との対話が注目される。

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